ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

今の『宇宙戦艦ヤマト』には付加価値がない

こんにちは。ymtetcです。

先日、ドラマ『silent』が最終話を迎えました。特に「衝撃のラスト」とかそういったものではなかったのですが、全体を通して、非常にレベルの高かった作品かなと思います。私の最終話を迎えた感想は以下の通りです。

さて、『宇宙戦艦ヤマト』に話を戻すと、このツイートで述べた要素、特に「一つのテーマで複数のドラマを連動させる」は、『2202』以来、福井ヤマトが積極的に進めたものとほとんど同じだと私は感じました。『silent』のテーマは「相互理解」。これに沿って、複数のドラマが連動していた作品でした。それに加えて、『2205』が取り組んでいた「引き算を意図的に行う」モダンな演出も、『silent』はそつなくこなしていたと思います。

そう考えた時、「ヤマト反抗期」な私が思い至ったのは、今のリメイク『宇宙戦艦ヤマト』には付加価値がない、ということです。

今のリメイク『宇宙戦艦ヤマト』は、福井さんのストーリーに旧作のネタをかけあわせ、メカデザイナーのメカを活躍させ、監督ごとに演出を変えています。

このことは、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズとそのファンにとっては大いに価値のあることですが、そうでない人々、『宇宙戦艦ヤマト』の外側にいる人たちにとっては、それほど価値はありません。その辺のドラマを観ても大差はないので(むしろ設定がリアルな分、その辺のドラマの方が優れている)、わざわざ『宇宙戦艦ヤマト』なる仰々しいタイトルの作品を観る必要はないのです。

この状況が続けば、『宇宙戦艦ヤマト』に待つのは緩やかな死です。ヤマト世代とその子どもたちが消えていけば、自然と失われていく作品。教科書のなかに、アニメ史のなかに名が残るだけの、ただの化石になってしまう。

そう考えると、私は絶望的な気持ちになりました。

この点をどう打破していくかは、もう少し深めてみたいですね。