ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

世代交代のために!『2199』テレビ放送の直後に必要だったもの

こんにちは。ymtetcです。

今回も、前回に引き続き、私の『2199』経験から話を進めていきます。個人的経験ですから、かなり偏っていることが前提です。

今回注目するのは、『ヤマト2199』のテレビ放送が終了した後の時期です。

実際の『2199』では、最終話の終了後に「完全新作劇場版」がアナウンスされ、その1年後に『星巡る方舟』が劇場公開されました。

結論的にいえば、ここでの展開次第では、『2199』は今以上に「世代交代」を実現できたと考えます。もちろん、それが全体の興行的に『方舟』や『2202』を上回るものであったかどうかは分かりませんが、「世代交代」に限っては、一歩進めることもできたのではないでしょうか。今日は、現代『ヤマト』の課題の一つである「ファンの世代交代」を実現する手立てについて考えてみたいと思います。

では、世代交代を進めるために、『2199』テレビ放送の直後には何が必要だったのでしょうか?

世代交代を進めるためには、『2199』の直後に、(リメイクシリーズの続編に限らず)何らかの『宇宙戦艦ヤマト』テレビアニメが必要だったと考えます。

〇逆風の続いたymtetcの『ヤマト2199』テレビ放送体験

私の中での『ヤマト2199』テレビ放送は、逆風のなかで始まりました。

当時高校生であった私の周囲では、日5枠の『マギ』が原作人気もあって好評。『マギ』の後番組として『ヤマト2199』が始まると、学校では不満の声がちらほらと聞こえてきました。なぜ『マギ』の放送が終わり、『宇宙戦艦ヤマト』などという古臭いアニメが始まるのか? 当時『2199』を猛プッシュしていた私は、肩身が狭かったです。

逆風は、『2199』テレビ放送が始まっても続きました。日5枠の『マギ』を毎週のように話題にしていたクラスメイトは特に『2199』には言及せず、スルー。それどころか、こちらもやはり原作人気の強い『進撃の巨人』が話題を席巻。日曜5時の『2199』を、深夜&ニコニコ動画配信の『進撃の巨人』が圧倒する。そんな状況は続きました。

この状況下では、ある意味、UVERworldのOP起用は効果的だったかもしれません。しかしそれも、放送直後の炎上劇により、目立った効果をあげることなく終わりました。

〇確かな意味はあった『ヤマト2199』テレビ放送

ただし、現在のネット界隈を見てみれば、『2199』テレビ放送に意味があったことは明白です。現在の若い世代のファンは、必ずしも「親の影響」だけではない。それは『2199』のテレビ放送が、世代交代に貢献していたことの証です。

なお、私の学校にも『2199』テレビ放送は影響を与えていました。私の友人は(友人のよしみとはいえ)『2199』を完走し、ドメルを「スネーク」と呼んで親しんでくれました(大塚明夫さん繋がり)。また、合唱祭の自由曲の候補として「宇宙戦艦ヤマト」が挙がり、実際に歌うクラスが現れるなど、明らかに、『宇宙戦艦ヤマト』の存在感は私の周囲にも広がってきていました。

〇ここで新作『宇宙戦艦ヤマト』テレビアニメがあれば

逆風のなかで始まった『2199』テレビ放送でしたが、そのクオリティの高さもあってか、若い世代にもじわじわと広がっていたように思います。

だからこそ、もしも『2199』の後に何らかのテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』が続いていたならば(願わくばそれが日5枠であったならば)、若い世代に『宇宙戦艦ヤマト』がもっと広がっていたのだろう、と考えます。すなわち、日5枠を通じて『ガンダム』が若い世代に確立したのと同じような地位に、『宇宙戦艦ヤマト』ものぼることができたのではないでしょうか。

ガンダム』のように歴史は古いが、昔から人気があって、他の現代アニメにはない独特の魅力があるシリーズ。『2199』のあと、『2199』のように手軽に観られる『宇宙戦艦ヤマト』が続いていたなら、そうしたイメージを若い世代に浸透させることができたと考えます。

『2199』を先行上映から追っていた身からすると、『2199』テレビ放送は一つのゴールのように思えました。しかし今振り返れば、『2199』テレビ放送はゴールではなく、世代交代の第一歩にするべきだったと思います。

もちろん、『2199』はファンが手塩にかけて育てた秘蔵っ子であり、それに続く作品も大きなプレッシャーを受ける状況でした。だからこそ、安易に新作を出すようなことはせず、『方舟』まで一年の期間を空けて、丁寧な作品作りをしたのでしょう。

しかし実際は、『方舟』『2202』と時間を空けて制作され、手軽に楽しむことのできない形態で公開された。この段階で、若い世代から見えている「世界」の枠から、『宇宙戦艦ヤマト』は外れていったように思えるのです。

『2199』に続く新作『ヤマト』は、決して「『2199』の続編」でなくてもよかったと思います。何らかの『宇宙戦艦ヤマト』をタイトルにした新作があれば、十分に相乗効果を生み出すことができた、と思うのです。

今思うと、『復活篇』『実写版』『第一作リメイク』が連動企画だったのは、そうした相乗効果を狙ってのものだったのかもしれませんね。