ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

第一作『宇宙戦艦ヤマト』と『さらば』に共通するテーマ性

こんにちは。ymtetcです。

前回の記事では、『宇宙戦艦ヤマト』第24話「死闘!神よ、ガミラスのために泣け!!」における古代進の語りは、「人間は互いに『命の大事さ』を知っているのだから、『愛し合うこと』をしなければならない」という趣旨であったと述べました。

この「命の大事さを知ること」=「愛を知ること」といった構図は、『宇宙戦艦ヤマト』から『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』に受け継がれ、『さらば』を原作とする『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』にも繋がっていきます。

その点においては、『さらば宇宙戦艦ヤマト』、そして『ヤマト2202』は、初代『宇宙戦艦ヤマト』のテーマ性を、(一部分にせよ)受け継いだ作品であると言えます。

  • さらば宇宙戦艦ヤマト』のクライマックス
  • 「喪失」を植え付け続けた『さらば』
  • 「命の大事さ」を知る古代進
  • 「喪失の悲しみ」の前提にある「命の大事さ」
  • 「命の大事さ」を知らない理不尽な暴力
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【旧ヤマト】第13話こそ「愛し合うべきだった」の伏線

こんにちは。ymtetcです。

前回の記事では、『宇宙戦艦ヤマト』第13話「急げヤマト!! 地球は病んでいる!!」における、古代進の行動について考えました。

「理不尽な暴力」によって両親を奪われた古代進は、同じ「人間」でありながら、そのような行為に及んでいたガミラス人(の捕虜)に対して憤りをぶつけ、殺害しようとします。しかし、ガミラス人捕虜が一転して自決を図ると、古代は彼の「命の大事さを知らない」行動に憤り、「貴様も人間なら、命の大事さを知れ」と叱りつけます。

この一連のシーンは、後の第24話「死闘!神よ、ガミラスのために泣け!!」に繋がります。

  • 「命の大事さ」を知っていても
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【旧ヤマト】なぜ古代は捕虜の自決を阻止したのか

こんにちは。ymtetcです。

『ヤマト』劇場版を観て、最初に観たくなったのが、『ヤマト』テレビシリーズ第13話「急げヤマト!! 地球は病んでいる!!」でした。漫画『はだしのゲン』をほうふつとさせる、戦時中の日本をモデルとした「古代進の幼少期」の描写が印象的な回ですね。

第13話は、かつて、10代や大学生だった頃の私には、少し理解の難しいシーンがありました。それが、一度は殺そうとしたガミラス人捕虜の自決を、古代進が阻止して、𠮟りつけた場面です。

貴様も人間なら、命の大事さを知れーっ!」。

殺そうとした相手の自決を、古代進は、なぜ阻止したのか?

  • 回想シーンで描かれたもの
  • ガミラス人も同じ人間であった」との事実
  • 理不尽な暴力への憤り
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「福井ヤマト」の日付を整理してみる

こんにちは。ymtetcです。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』以降の「福井ヤマト」は、二つの移行期を持つと考えます。

  1. 『2199 星巡る方舟』 ⇒『2202 愛の戦士たち』
  2. 『2202 愛の戦士たち』⇒『ヤマトという時代』

「1」は出渕ヤマトから福井ヤマトへの時期、「2」は福井ヤマトから羽原さん・小林さんの『復活篇』スタッフが抜け、より福井さんの役割が大きくなった時期です。

  • 参考資料
  • 表で整理してみる
  • わかること
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【ヤマト3199】福井さんの語る「抵抗」の意味

こんにちは。ymtetcです。

starblazers-yamato.net

『ヤマトよ永遠に REBEL3199』のポスターには、総監督・福井晴敏さんの、こんな言葉が掲載されています。

ヤマトは抵抗の物語です。
一方的に境界を侵し、服従を強いる他者への抵抗。
人を、社会を無惨に蝕む、理不尽な天災への抵抗。
それらと向き合い、戦ううちに、いつしか自由も人間性も犠牲にし、なにを守ろうとしていたのかもわからなくなってしまう。やさしさと表裏一体の、人の愚かさに対する抵抗――。
最初の船出から半世紀を経て、その抵抗の物語は、我々の明日を左右する現実になりつつあります。
そんな時代に語られる、五十年目の宇宙戦艦ヤマト――スタッフ一同、魂を削って紡ぎあげています。
ご期待ください。

「ヤマトは抵抗の物語です」と言い切る福井さん。

私はこの言葉を見た時、『2202』のキーワード「愛」を思い出しました。

  • 『ヤマト2202』が描いた「愛」
  • 「抵抗」とは「たたかい」である
  • 氷川さんと彰司さんによるヒント
  • 『2205+3199』企画書のヒント
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【ヤマト3199】旧作上映に”便乗”できる『ヤマトよ永遠に』

こんにちは。ymtetcです。

さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』4Kリマスターの上映が始まりました。そして上映「」の予告編として、『ヤマトよ永遠に REBEL3199』の特報が流れています。シアター内で新旧『ヤマト』が共演しているわけですね。

今日は、このメリットを起点に、『3199』が『ヤマトよ永遠に』を掲げている意味を考えてみたいと思います。

  • 旧作ファンにリメイクを告知する好機
  • 『3199』が『ヤマトよ永遠に』である意味
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【ヤマト3199】制作中断がもたらす”洗練されたシナリオ”

こんにちは。ymtetcです。

『ヤマトよ永遠に REBEL3199』の構想期間は、西﨑彰司さんがイントロダクションで述べたように、5年以上にわたります。というのも、2019年付で提出された福井さんの企画書の段階で、既に「『2205』+『3199』」の形で『3199』が言及されているからです。

この期間、諸種の事情により制作が順調には進まなかったことが示唆されています。それはもちろん望まれていたことではありません。

ただ、これにはメリットがないわけではないと考えます。

  • 制作中断がクオリティアップにつながった『ヤマト2199』
  • 構想期間そのものが短かった『ヤマト2202』
  • 「頭の中で整理する」重要性
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