ガトランティス2202:なぜ「ヤマトを倒せ!」なのか
今日は標題のことについて少し考えてみたいと思います。
2202第五章、ランハルトを通じて「ヤマトの諸君」と再会したデスラー。ランハルトは苦渋の末に、デスラーではなくヤマトを選んだ。そしてギムレーが逮捕されたことでバレルを中心とした民主派が一応の勝利を収め、結果的にデスラーはガミラスへの復帰の道をひとつ断たれてしまったわけです。
○デスラーに対しては「滅びゆくガミラスの救済」を与える。その代わりに
「ヤマトを倒せ!」
とガトランティスは言うのです。
まるで、暗黒星団帝国かのような(笑)、ヤマトへの執着。これはどこから来ているものなのでしょうか。これを考えてみましょう。
そもそもガトランティスにとって、ヤマトとは何か。
前提として、ガトランティスはテレザートを征服して、全てを見通す力を得た、つまり、ガトランティスも一応、全てを見通したわけです。
テレサはこう言いましたよね。
「ヤマト、大いなる和のフネを中心とする縁が、白色彗星帝国を止める」と。
そのことを、ガトランティスも分かっているとしたら。
我々は、ヤマトに滅ぼされるのか? という懸念は避けられません。
しかし、個々の選択によって未来が変わることも、ガトランティスは分かっている。
だから自分たちではなく、デスラーにヤマトを倒させるのです。
それは「大いなる和」、「縁の力」を壊すため。
デスラーはヤマトと出会い、大いなる和、縁の一部。だからこそ縁の力を、縁の力を構成する人間に壊させようとする。そうすれば縁の力は壊れますから。
だからこそ、デスラーにもメリットがある取引を持ちかけるわけです。デスラーにメリットがないと、この取引を履行されません。
こうして、
「ヤマトを倒せ!」
に繋がってくるのではないでしょうか。
ガトランティスが自らヤマトと対峙すれば、予言通り、倒されてしまうかもしれません。
それを自覚しているガトランティス。だからデスラーにやらせる。デスラーが対峙したところでガトランティスにリスクはありませんし、縁の力を内部破壊することにも繋がります。
そしてこのことによって、ヤマトに執着し、ヤマトに悪魔の選択を突きつけている理由も、なんとなく考えられますね。
そう、キーマンのいうように「縁の力=愛」だとすれば、「愛を壊すか、世界を壊すか」を選ばせるような、愛を否定する悪魔の選択を持ちかけることと、「縁の力」=「愛」を破壊しようとすることが同じことのように思えてきますね。
また、加藤の件については、上述の「愛を壊す」のみならず、目下の脅威である縁の力・トランジット波動砲を止めさせ、脅威を脅威でなくしてしまうという意味も、ガトランティス側からすれば見出せます。
どうもこの作品には、「ヤマトを中心とする縁が滅びの方舟を止める」というさだめに対して、ガトランティスが抗おうとしているような構図がありそうです。
ここまで書いてきて思ったのですが、
2202面白れぇ。