こんにちは。ymtetcです。
今日は2202の二章を振り返ってみます。二章では、旧作にもあったはずの「沖田の子供たち」という言葉が、私にはとても尊く見えました。
◯「沖田の子供たちがゆく」
藤堂長官は旧作で「沖田の子供たちがゆく」と言ってますので、ある意味、2202が始まったその時から「沖田の子供たち」と言わないといけないことになっています。
その藤堂のセリフすら、違って見えたのはなぜでしょうか。
◯「艦長代理、古代進です」
2202で藤堂長官が「沖田の子供たち」を認識するのは、ヤマトクルーに対する説得演説を繰り広げた後、古代がその返答をする場面が初めてです。
というのも、おそらく藤堂は2199時点で、古代進と面識がありません。
2199時点で面識があるヤマトクルーも、森や真田、南部あたりがせいぜいで、古い知り合いは沖田くらいのものでしょう。
もとより2202時点では古代と面識があるはずですが、それはヤマトから降りてからの話。波動砲艦隊の反対論者の急先鋒、とでも認識しているのかもしれません。藤堂の中では「ヤマトは沖田の艦だ」という認識の方が強いと考えます。
◯沖田の不在
2202の藤堂も、頭の中では沖田がもうこの世にいないことを分かっているはずです。
そこへ来て、何かに導かれるようにして集ったヤマトクルー。どこか共感できそうな、どこか不思議な彼らに呼びかけてみれば、応答したのは「艦長代理」を名乗る古代だった。
──そうだ、沖田はもういないんだ。
ここで、ヤマトと沖田を強く結びつけていた自分に気づくわけです。
そして、沖田の代理を名乗る男に告げます。
「5分だけ待つ」
◯お前がヤマトで何をしたのか
──見届けさせてくれ。
土方さんではありませんが、「5分だけ待つ」ことを決めた藤堂長官はこんな気持ちだったのではないでしょうか。
──お前は沖田の代理を名乗った。
──お前は沖田の何を知っているんだ。
──沖田は、お前に何を教えたんだ。沖田は、子供たちに何を残したんだ。
それを見届けるため、藤堂はまず古代に選択権を与えたのではないでしょうか。
◯藤堂は分かっている
沖田ならどうするか。
「間違っていると思ったら立ち止まり、自分を貫く勇気も必要だ」。
かつて、沖田はそう古代に伝えました。
沖田がファーストコンタクト時に命令違反を犯したことを、藤堂も知っています。
だから、沖田ならこんな時どうするか、藤堂は分かっているのです。
ある意味では、古代を試しているようにさえ思えます。
◯沖田の子供たちがゆく
古代は飛び立ちました。
それはある意味、沖田の教えを守ることでもありました。
だから藤堂は、古代以下のヤマトクルーを「沖田の子供たち」と表現したのです。
◯山南も同じ
山南も、藤堂と同じく古代とはあまり面識がありません。もちろん、知らないわけではないと思いますが。
◯あいつが、沖田さんの代わりか。
沖田と過ごした時間の長い山南は、「艦長代理」を見てそう思ったはずです。
だから藤堂と同じように、試そうとします。
単艦で、ヤマトに立ちふさがる。
2199の15話を思い出しましょう。沖田はドメラーズと正面きって戦うことで、一旦は振り切ることに成功しました。
沖田がそういう指揮官であることは、〈きりしま〉で共に戦ってきた山南なら分かっています。
◯「古代艦長代理」
こう呼びかける山南は、「艦長代理」という響きを噛み締めているかのよう。
◯とんだ頑固者
ヤマトはやってきた。
俺と沖田さん、土方さんが、ヤマト計画よりも前から取り組んできたイズモ計画の、アステロイドシップを使って。
山南は懐かしかったと思います。
そして古代は、沖田さんのような正面突破を選んだ。
◯「父」のレリーフ
だから、レリーフを託したのです。
沖田さんは、あんたたちに大切なことを教えたんだな。でも……
忘れるなよ。
◯沖田さんは、ずっと見てるからな。
山南さんが手渡したレリーフには、そんなメッセージが込められているように思えるのです。
ほら、
尊い。