ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

「白か黒か」ではない、私的復活篇&2202改善案

こんにちは。ymtetcです。

今日はそこまでオリジナル性のある話という訳ではなく、よくネット上で目にする意見を書いていきたいと思います。

復活篇・2202には色々と「改善すべき点」があるわけです。以下のように、両作品のそれを一つずつ取り上げながら「改善とは逆方向に全振りすることではない」という話をしていきます。

  • 効果音を古いものにする(完結編準拠)or新しいものにする(復活篇)
  • ミリタリー考証で固める(2199準拠)orミリタリー考証を排する(2202)

このような二項対立的構造が両作品にはあると言えます。これを前提として、その中に第三の答え、折衷案を提起することがこの記事の主旨です。

〇復活篇――効果音

効果音は、復活篇が大きな批判を受けたポイントです。

そこでディレクターズカットでは、全ての効果音が「~完結編」の作品で使用された柏原満さんのSEに変更されました。

しかしそのSEは復活篇用に作られたものではありませんから、随所で違和感がありました。

ここから見えてくるのは上述の「改善とは逆方向に全振りすることではない」ということです。

後出しジャンケンをしてみますと、

例えば復活篇では、ヤマト関連のSE(特に主砲・波動エンジン)のみを柏原さんの音に戻し、それ以外を復活篇オリジナルSEにする。

というのが、私的には正解に思えます。

何故ならば、却ってそのことが「宇宙戦艦ヤマトの懐かしさ」と「2520風地球防衛軍艦艇の目新しさ」のコントラストを生みだすからです。

そんな背景もあったかなかったか分かりませんが、2199では基本的に柏原SEを使いつつも、必要な箇所では2199オリジナルSEを使用していましたね。

〇2202――ミリタリー考証

普段このブログを見ている方ならお察しかもしれませんが、ミリタリーに関しては全くの専門外でして、ここで2202ミリタリー考証について長々と話すことは出来ません。

しかし、少なくとも

「島!」「よーそろー!」

などは到底ミリタリー考証が為されているように感じられません。

「おもーかーじ」「とーりかーじ」などのセリフもなくなりました。

2199と比べると、ミリタリー素人の私でも違和感があります。

一方で、これらの2199→2202における変更がもたらした違和感は、上述のような「コントラストを生みだす」という方向性で改善できるとも考えています。

2202ヤマト艦内におけるミリタリー要素の薄さを「軍とは距離を置く*1集団=ヤマトクルー」演出に用いるのです。

つまり、

  • 地球防衛軍周辺における描写=ミリタリー要素メガ盛り
  • ヤマト艦内における描写=ミリタリー要素薄め

と、対置させるということ。

前者は「組織として軍人として」行動する様を描き、後者は「組織に囚われず、人間として」行動する様を描く。そんな感じですね。

イスカンダルへの旅を経験していない前者」と、「経験してきた」後者という対比がそもそもあります。「島」「よーそろー!」なんてのは、「阿吽の呼吸」的な演出でもあります。

ですから、ヤマト艦内の描写については現行2202のものでも全然かまわないと思います。

しかし一方で、作品全体の考証レベルがそれと同等に落ちてしまうと、2199の続編としては違和感を覚えざるを得ないのです。

〇何事にも必ず意図がある

この二項対立を前提として、折衷案を提起することがこの記事の主旨でした。

  • 効果音を古いものにする(完結編準拠)or新しいものにする(復活篇)
  • ミリタリー考証で固める(2199準拠)orミリタリー考証を排する(2202)

これに対して、私は

「両者を適材適所に取り入れる*2ことで、ヤマトの特別感を演出する」

という折衷案を出してみたのでした。

復活篇が効果音を一新した意図も、2202がミリタリー成分を薄くした意図も恐らくあると思います。

とりあえず今日は、前者の意図を「目新しさ」、後者の意図を「(2202スタッフの考える)ヤマトらしさ*3」という点に推定して、折衷案を考えてみました。

*1:「ヤマトは軍艦だぞ」なんて台詞もありますけどね

*2:効果音は権利の問題もありますが

*3:抽象的なこの言葉、個人的には苦手です。定義も十人十色、それぞれありますから