ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

ガルパン劇場版とヤマト音楽

ガルパンはいいぞ

といえば『ガールズ&パンツァー 劇場版』

私はガルパンファンではありません。それなのに、「いいぞ」の流れに便乗し、なんと劇場版だけ鑑賞済み。

とんだニワカですね。

なので、愛着補正によらない感想を述べることが出来ます(確信)。

私の感想はこれ。

ガルパンはいいぞ

定番のオチ。(笑)

さて、その理由を一言にまとめるなら、

と思ったからです。

TVアニメ『ガールズ&パンツァー』オリジナルサウンドトラック

 

どういうことか?

それを紐解くには、まずヤマト音楽、宮川泰先生のお話をしましょう。

宮川泰 テレビテーマ・ワールド

 

皆様、このCDは手にされましたでしょうか?

宮川先生の手掛けられた様々なテレビ番組・ラジオ番組・アニメの「テーマ曲」が収録されています。名曲ぞろいです。

そこで考えたのは、

  • 宮川先生は「テーマ曲作り」と「アレンジ」が得意なのではないか?

ということ。

そして、それこそがヤマト音楽最大の魅力なのでは……と、思いました。

以前『題名のない音楽会』でヤマト特集が放映された際、宮川彬良さんは

  • 主題歌のモチーフが展開する、これがヤマト音楽だ!

と解説されていました。

ここで、想像が膨らんできます。

ヤマト音楽はこんな行程で作られたのではないか? という想像です。

  1. 「テーマ曲の神」宮川泰がテーマ曲を作る
  2. 「アレンジの神」宮川泰がテーマ曲をアレンジ、シーンの特徴に合わせてモチーフを展開させる

「神」として二つの顔を持つ宮川先生だからこそ、ヤマト音楽は魅力的だったのではないでしょうか。「宇宙戦艦ヤマト」「白色彗星」「デスラー」「澪」……数えきれない「テーマ曲」を宮川先生は作られてきました。

  • その「テーマ曲」のモチーフが、次々に展開されて作品を彩る。

これをヤマト音楽の魅力とした時、ガルパンの音楽はどう見えるか?

ガルパンの音楽を、上記の「行程」に沿って再構築するならば、こうです。

  1. 「学校」のテーマ曲は、その元ネタとなった国の民謡・軍歌をモチーフにする
  2. テーマ曲はその「学校」に関係するシーンに合わせて使用する

すると、ガルパンの音楽とヤマト音楽、その共通点と相違点が見えてきます。

共通点は簡単。音楽の使い方、作り方の方針は非常にヤマト音楽と似通っています。

大洗女子学園を主人公とした時に、「その他の学校」はほとんどの場合、モデルとなった国が存在します。これはまさに、特定の国家をモデルに「敵」のテーマを作ろうとしたことのあるヤマト音楽と一致するもの。また、「設定したテーマ曲をシーンに合わせて適宜展開、使用する」スタイルも共通しています。

一方で、相違点も簡単です。

これは具体例を出して説明してみましょう。

両作品は、共にソ連」をモデルとした組織を登場させました。

ガルパン」では、プラウダ高校

ヤマトでは、ボラー連邦です。

プラウダ高校のテーマ曲には、この曲が引用されました。

【ロシア音楽】カチューシャ (Катюша) (日本語字幕) - YouTube

ボラー連邦のテーマ曲は、ご存じの通りです。

つまり、

  • ガルパンは「テーマ曲」を作っていないが、ヤマトは作っている。

これが相違点です。

ガルパンに目を向ければ、「カチューシャ」は長い間親しまれてきたロシア民謡(軍歌)。この曲は、親しまれてきたという事実だけで「名曲」です。国をモデルとした「学校」に、その国の名曲をテーマ曲として設定するというスタイルは、質を担保するという面では非常に効率が良いと言えるでしょう。

 

今日は、ガルパン音楽とヤマト音楽の共通点と相違点を考えてみました。

共通点は

  • テーマ曲の設定と使用方法

相違点は

  • テーマ曲を引用するか、作曲するか

でした。

 

最後に、共通点が最も強く現れた両作品のシーンをご紹介。

ガルパン劇場版には、

  • テレビシリーズで対戦した学校、劇場版で新たに登場した学校が、大洗女子学園を救うために集結する

シーンがありました。

いわゆる「学園十色」ですね。

ここでは、それぞれの学校のテーマ曲がメドレー形式で演奏されたのです。

これはまさに、

という、ヤマト完結編で「デスラー襲撃」が流れるあの場面と同じ「アツさ」を持っています。

この「アツさ」が、最大の共通点かもしれません。

ヤマトにも「ガルパン」みたいなムーブメント、来ないかなぁ(笑)