といえば『ガールズ&パンツァー 劇場版』。
私はガルパンファンではありません。それなのに、「いいぞ」の流れに便乗し、なんと劇場版だけ鑑賞済み。
とんだニワカですね。
なので、愛着補正によらない感想を述べることが出来ます(確信)。
私の感想はこれ。
定番のオチ。(笑)
さて、その理由を一言にまとめるなら、
- ガルパンの音楽、ヤマトだ。
と思ったからです。
- アーティスト: 浜口史郎,ボコ(藤村歩),吉田玲子,澤口和彦
- 出版社/メーカー: ランティス
- 発売日: 2015/11/18
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (23件) を見る
どういうことか?
それを紐解くには、まずヤマト音楽、宮川泰先生のお話をしましょう。
- アーティスト: 音楽:宮川泰
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2018/08/29
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (1件) を見る
皆様、このCDは手にされましたでしょうか?
宮川先生の手掛けられた様々なテレビ番組・ラジオ番組・アニメの「テーマ曲」が収録されています。名曲ぞろいです。
そこで考えたのは、
- 宮川先生は「テーマ曲作り」と「アレンジ」が得意なのではないか?
ということ。
そして、それこそがヤマト音楽最大の魅力なのでは……と、思いました。
以前『題名のない音楽会』でヤマト特集が放映された際、宮川彬良さんは
- 主題歌のモチーフが展開する、これがヤマト音楽だ!
と解説されていました。
ここで、想像が膨らんできます。
ヤマト音楽はこんな行程で作られたのではないか? という想像です。
「神」として二つの顔を持つ宮川先生だからこそ、ヤマト音楽は魅力的だったのではないでしょうか。「宇宙戦艦ヤマト」「白色彗星」「デスラー」「澪」……数えきれない「テーマ曲」を宮川先生は作られてきました。
- その「テーマ曲」のモチーフが、次々に展開されて作品を彩る。
これをヤマト音楽の魅力とした時、ガルパンの音楽はどう見えるか?
ガルパンの音楽を、上記の「行程」に沿って再構築するならば、こうです。
- 「学校」のテーマ曲は、その元ネタとなった国の民謡・軍歌をモチーフにする
- テーマ曲はその「学校」に関係するシーンに合わせて使用する
すると、ガルパンの音楽とヤマト音楽、その共通点と相違点が見えてきます。
共通点は簡単。音楽の使い方、作り方の方針は非常にヤマト音楽と似通っています。
大洗女子学園を主人公とした時に、「その他の学校」はほとんどの場合、モデルとなった国が存在します。これはまさに、特定の国家をモデルに「敵」のテーマを作ろうとしたことのあるヤマト音楽と一致するもの。また、「設定したテーマ曲をシーンに合わせて適宜展開、使用する」スタイルも共通しています。
一方で、相違点も簡単です。
これは具体例を出して説明してみましょう。
両作品は、共に「ソ連」をモデルとした組織を登場させました。
ヤマトでは、ボラー連邦です。
プラウダ高校のテーマ曲には、この曲が引用されました。
【ロシア音楽】カチューシャ (Катюша) (日本語字幕) - YouTube
ボラー連邦のテーマ曲は、ご存じの通りです。
つまり、
- ガルパンは「テーマ曲」を作っていないが、ヤマトは作っている。
これが相違点です。
ガルパンに目を向ければ、「カチューシャ」は長い間親しまれてきたロシア民謡(軍歌)。この曲は、親しまれてきたという事実だけで「名曲」です。国をモデルとした「学校」に、その国の名曲をテーマ曲として設定するというスタイルは、質を担保するという面では非常に効率が良いと言えるでしょう。
今日は、ガルパン音楽とヤマト音楽の共通点と相違点を考えてみました。
共通点は
- テーマ曲の設定と使用方法
相違点は
- テーマ曲を引用するか、作曲するか
でした。
最後に、共通点が最も強く現れた両作品のシーンをご紹介。
ガルパン劇場版には、
- テレビシリーズで対戦した学校、劇場版で新たに登場した学校が、大洗女子学園を救うために集結する
シーンがありました。
いわゆる「学園十色」ですね。
ここでは、それぞれの学校のテーマ曲がメドレー形式で演奏されたのです。
これはまさに、
- ヤマト最大のピンチに駆けつけるデスラー
という、ヤマト完結編で「デスラー襲撃」が流れるあの場面と同じ「アツさ」を持っています。
この「アツさ」が、最大の共通点かもしれません。
ヤマトにも「ガルパン」みたいなムーブメント、来ないかなぁ(笑)