ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【リメイク・ヤマト】『ヤマト』新時代の過渡期的シリーズ

こんにちは。ymtetcです。

今日は、いわゆる「リメイク・ヤマト」の捉え方を再考していきます。

リメイク・ヤマトは、いま振り返れば、『ヤマト』新時代の過渡期的シリーズと言えます。

キャラクターデザインと声優、物語の作風は大胆に変更する一方、メカデザイン、演出、音楽、効果音は保守的。この絶妙なバランスの上に、『2199』の旧作ファンからの支持、一定の大ヒットがありました。

一方、例えば『2202』が、保守的だったメカデザインを大胆に変更したこと。これは過渡期にあっては大胆”すぎた”ために批判を受け、『2205』ではメカデザインが再び保守的になりました。ここには過渡期ならではの線引きが見られます。

しかし、『2199』『2202』『2205』を経ていく中で、線引きは徐々に変わってきました。保守的だった演出、音楽、効果音には変化が見られます。『2205』の安田監督は『2199』よりもさらにテンポアップした演出を持ち込んでいますし、音楽は旧作再現から、徐々に宮川彬良さんの独自要素が増えてきました。効果音は現状、旧作のものと新規のものがミックスした状態にあります。

このように、リメイク・ヤマトは過渡期的シリーズです。この中で、最も保守要素の強固なのがメカデザインでしょう。メカは『ヤマト』のアイデンティティのうち、最も変化する余地の少ないジャンルなのかもしれません。

その要因は、『宇宙戦艦ヤマト』のタイトルに求めるのが都合よさそうです。

現在、『ヤマト』ファンはキャラクターファン、メカファン、音楽ファンなどそれぞれ緩やかな「専門」をもって『ヤマト』を愛好しているわけですが、どのファンであっても、最初は必ず「私は『宇宙戦艦ヤマト』を観ている」との認識のもとに立っているはずです。「古代進物語」でもなければ、「宮川泰名曲メドレー」でもありません。

つまり、潜在的に『ヤマト』の核となるのは「宇宙戦艦ヤマト」だと見なされているのです。結果的にキャラクターファンや音楽ファンに転じていくにせよ、どの観客も最初は「『宇宙戦艦ヤマト』を観る」との認識で作品を観る。このことが、時代が変わった現在にあっても、潜在的なメカファンが多いことに繋がっているのではないでしょうか。