こんばんは。ymtetcです。
ズォーダーと古代の共通点、というのが最近注目している部分なのですが、今日はまた違うところから考えてみたいと思います。
では以下、まずはこの引用をお読みください。
ガトランティス! 闘争本能と忠誠心だけを与えられた人造兵士。緑の肌を持つ、人の姿をした家畜。戦争の駒としては最適。ゼムリア人は傷つかない。だが、ゼムリアはタブーを犯した。タイプ・ズォーダー。感応波によるネットワーク機能を搭載した上級モデル。複雑な精神構造を持ち、諜報戦にも対応可能。ガトランティスを超えたガトランティス。それはもはや──(呟き)人間……。
タブーを犯した報いだ。人のように考えられる家畜は、家畜ではいられない。ズォーダーは反乱を引き起こし、人間とガトランティスの戦争が始まった。
ここからわかることは
- ゼムリアから見てガトランティスは「家畜」である。
- ゼムリア人が傷つかないための、戦争に最適な駒。
- ゼムリアは「タブー」を犯した。「タブー」とは、ガトランティスに「人間」を作り出してしまったこと。
- ズォーダーはゼムリアに対し反乱を引き起こした。
ことです。
これらの言葉だけではいまいち想起しにくいのですが、少し想像をしてみると、
という、シンプルな「奴隷解放戦争」の構図が浮かんできます。
ズォーダー「ガトランティスと我らを呼び、蔑んだ者たちは一人残らず死に絶えた」
古代「滅ぼしたのか?」
ズォーダー「(無言)」
ズォーダーがゼムリアに対して反乱を起こしたのは、ガトランティスを「家畜」扱いするゼムリアへの不満の表れと考えられるのです。
「家畜」扱いへの不満・疑問。
《第2話》
南部「波動砲艦隊構想とか、爪先だった復興計画とか、ヤマトがイスカンダルから持ち帰ったのは、こんな地球を作るためのものじゃなかった」
《第3話》
古代「何故です長官。助けを求める声を無視されるんですか? 長官、沖田艦長にもそう仰れるんですか。僕たちが守るべきはなんなんです? イスカンダルとの約束は。あんな波動砲大艦隊を、時間断層で──」
(略)
古代「真田さん。俺たちの旅は。俺たちが取り戻すはずだった地球は、どんなものだったんでしょう。なんか、忘れてしまいそうですよ」
(略)
徳川「儂らの気持ちを、上が分かるわけもない」
相原「3年前のあの航海で、地球は救われた筈ですよね?」
南部「今の地球は、これでいいのかよ……!」
(略)
古代「今の地球政府はそれを分かろうとしない。彼らに見えるのは、現実の光景だけだ。生きるために、地球の主権を守るために。でもそれは間違った未来に進むことじゃないのか」
まさに、地球政府に対する不満と、復興政策に対する疑問からヤマトを発進させたヤマトクルー、ひいては古代の姿とも、ここに重なってくるわけです。
愛から「逃れられなかった」ズォーダーもまた、古代たち人間の象徴「ヤマト」と、そのクルーとは然程変わらない存在であることが既に明らかになってきました。
ですが、このような「重ねる」描写を敢えてやっているとすれば、それが第七章では重要になってきそうなポイントであるとも言えそうです。