こんにちは。ymtetcです。
先日、『宇宙戦艦ヤマトNEXT スターブレイザーズΛ』第16話「レイン」が公開されました。今回も、鑑賞メモを書いていきます。
今回、初めて物語の流れを表にメモしてみました。ひとまずユウとレインだけですが、参考までにご覧ください。
ユウ | レイン |
セイレーネスに囚われている | ユウを必ず助けると決意 |
両手両足を奪われる | |
ユウを見捨てようとしたカルロスに反論 | |
レインが自分を助けに来ていることに気付く | ユウを助けるため、突撃 |
レインが死ぬつもりであることに気付き、仲間にレインを助けるよう叫ぶ | |
セイレーネスに捕えられる | |
自分の命を犠牲にしてでも、ユウを助け出そうとする | |
ナイアに謝罪する | |
(夢の始まり) | |
(全部が終わったから地球に戻ってきた、と告げる) | |
レインがなぜここにいるのか疑問に思っている | |
木星に行ってきた、と告げるレインを「すごい」と思っている | (木星に行ってきた、と告げる) |
レインが去っていく理由が分からず、レインに向かって手を伸ばす | (ユウに別れを告げて、去る) |
(夢の終わり) | |
病院で目覚める | |
レインがどこにいるのかを疑問に思う | |
(レインが死んでいることを病院のスタッフに教えられる?) | |
病院のスタッフに怒る | |
レインを探して歩き出そうとし、倒れる | |
鎮静剤を打たれ、眠る | |
(時間経過?もしくは夢?) | |
医師に励まされる | |
「トップネスにはいつ戻れるか」と医師に問う | |
祖母に叱られる | |
なぜ自分が死んではいけないのか、分からない | |
祖母のいう「マヤ」が誰か、分からない | |
自分に母親はいないと思っている | |
なぜ祖母がそこまで怒っているのか、分からない |
あらすじとしては、
- ユウ:セイレーネスに捕えられる→レインに助けられる→レインを失う
- レイン:ユウを助ける
基本的にこの流れで動いています。リンネも興味深い言葉を発してはいますが、とりあえずはユウとレインに絞ってみました。
今回、色々と仕掛けがありそうだなと思ったのはユウが見る「夢」です。これまで繰り返し登場し、この数回で少しずつその正体が明かされてきているユウの「夢」ですが、今回も違った形で登場しました。
一点、私たちが気にしておきたいのは、ユウの持っている記憶が非常に曖昧なものとして描かれていることです。
まず、レインを失った際の「夢」を振り返ってみましょう。ここでは、ユウはレインの顔を知っていますが、自分がトップネスにいた記憶は持っていません。この「夢」の世界でのユウは、レインとは顔見知りである一方、木星には行っていない可能性が高いでしょう。ユウとレインは第1話の木星で初めて顔を合わせているため、私たちがこれまで読んできた世界のユウと、この「夢」の中のユウの記憶は噛み合っていません。
次に、ユウが目覚めた後の記憶を振り返ってみましょう。ここでユウは、セイレーネスと戦って両手両足を失った記憶を持っています。すなわち、自分がトップネスにいた記憶を持っています。この世界でのユウは、概ね私たちが読んできた世界のユウと同じ記憶を持ってはいますが、一方、私たちの知るユウがあれほどにこだわっていた母親・マヤの記憶を持っていません。ここでも、噛み合っていないと言えるでしょう。
この噛み合っていない記憶を、どう解釈すべきかは読めません。これは第17話以降の描写を見てみないことには何とも言えませんが、現時点で私の頭にある可能性を書いておきます。何かの叩き台にしてください。
前提となるのは、ユウの「夢」は夢ではなく、「何度も何度も繰り返す」「宇宙で起こったユウの記憶」だとするリンネのセリフです。またニーナの言葉を借りれば、この宇宙は49回目。この世界では、既に48回分の宇宙が繰り返されている可能性があります。
そこから考えれば、これまでユウが見てきた「夢」(別の宇宙の記憶)は、必ずしも一つの宇宙の記憶ではない可能性が高いでしょう。つまり、48回分の違った宇宙が存在しており、それぞれの宇宙で起きた別々の出来事を同時期に「夢」としてまとめて見せられた(49回目の)ユウの記憶は、混線している可能性があります。第15話には、宇宙が繰り返されていることに動揺を隠せないユウの描写がありました。ユウは、何が”事実”なのかが分からなくなってしまったのかもしれません。
あるいは別の宇宙の記憶に乗っ取られている可能性もあります。第16話のラストには祖母の言葉とユウの記憶が噛み合っていない描写がありましたが、49回目の宇宙を生きる祖母の記憶と、別の宇宙を生きてきたユウの記憶が噛み合っていなかったのだとすれば、何となく説明はつくでしょう。
いずれにしても、これまでユウが「夢」として見てきた別の宇宙の記憶が何らかの形で介在したことで、ユウと祖母の会話は噛み合っていない、とするのが私の考えです。一度「時空結晶体に食われ」そうになったこととも、何か関係があるのかもしれませんね。
その意味で、私はレインが生きていてもおかしくないな、と思っています。もちろん、それは『鉄腕アダム』の記憶を私が持っているからですが(笑)、今回、主人公たるユウが”事実”をうまく認識できなくなっている描写が続いたので、「レインが死んだ」という”事実”も果たして事実なのだろうか? と疑っている感じです。
ともあれ、ユウがレインを失ったことは、ユウにとっては母親を失って以来の喪失であったことは間違いありません。物語としては、一つヤマ場を作ってきたと思います。第17話が今から待ち遠しいですね。