ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【アクエリアス・アルゴリズム】『ヤマト黎明篇』への改名が示すこと

※会員更新期限の関係上、ymtetcは『ヤマトマガジン』第11巻、第12巻を未読です。予めご了承ください。

こんにちは。ymtetcです。

宇宙戦艦ヤマト 復活篇 第0部 アクエリアスアルゴリズム』と銘打って連載を開始した『アクエリアスアルゴリズム』が、一般発売を機に『宇宙戦艦ヤマト 黎明篇 アクエリアスアルゴリズム』へと名前を改めました。

「黎明」とは、

れい‐めい【×黎明】 の解説
1 夜明け。明け方。

2 新しい事柄が始まろうとすること。また、その時。「民主主義の黎明」

黎明(れいめい)の意味 - goo国語辞書

「夜明け」を意味します。

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英語では"rerising"( 我が家の地球防衛艦隊 on Twitter: "#宇宙戦艦ヤマト 黎明篇 #アクエリアス・アルゴリズム ですが、Kindle版も同時発売です!!外や移動中に読むには電子版もありがたい!!(本日の書影は帯無し版w)

https://t.co/71oGJB8Pg3… ")

今日は、この作品の名前が『復活篇 第0部』から『黎明篇』へと転じたことの意味を、考えていきます。

もともと『宇宙戦艦ヤマト 復活篇 第0部』として始まったものが、書籍化にあたって『宇宙戦艦ヤマト 黎明篇』へと改名した。今日ここから読み取りたいことは、二つです。一つは『黎明篇』のシリーズ化と『復活篇』からの自立。もう一つは、ポスト『復活篇』の存在です。

〇『黎明篇』のシリーズ化:『復活篇』からの自立

まず第一に、『復活篇 第0部』から『黎明篇』への変化は、アクエリアスアルゴリズム』が『復活篇』から距離を置き、自立へと進んでいることを示していると考えます。

以前のままのタイトルであれば、『アクエリアスアルゴリズム』は「『復活篇』エピソードゼロ」でしかありませんでした。しかし今回、『ヤマト完結編』『ヤマト復活篇』に並ぶ『ヤマト〇〇篇』としての役割を、『アクエリアスアルゴリズム』は与えられることになりました

『完結編』と『復活篇』の間を描く作品でありながら、『完結編 第2部』でもなく『復活篇 第0部』でもない、独立した作品としての役割を与えられているものと考えます。『アクエリアスアルゴリズム』は、『復活篇』のスピンオフにはとどまらない、独立した『宇宙戦艦ヤマト』の新たなシリーズに転じつつあるのではないでしょうか。

〇ポスト『復活篇』に向けて:『○○篇』の未来

第二に、ポスト『復活篇』にあたる作品の存在を示唆しているものとも考えます。

私たちがここで思い起こしたいことがあります。

『復活篇』副監督の小林誠さんは、以前Twitterで「仮題」として、『復活篇』に続く二作品を『神々の黄昏篇』『終局篇』と呼称したことがありました。

小林誠 2220 on Twitter: "これは必ず言うていますがあの人もうやらないという強い意思をお持ちで。復活篇は最後の作品(ゴルイは復活篇にて死んでますよね)だというのでやってもらった感じです。復活篇以降の神々の黄昏篇、終局篇(共に仮題)があってもやらないと思います。ごめんなさい😢… https://t.co/wgfIut76CL"

すなわち、もともと『復活篇』というものはあの「第一部」のみであり、「第二部」以降は別の『○○篇』が当てはめられていたのかもしれない。私たちは、その可能性に目を向けなければなりません。

つまり、そもそも『復活篇』三部作とは、

〇『復活篇』(第一部)

→『神々の黄昏篇(仮)』(第二部)

→『終局篇(仮)』(第三部)

と、それぞれ異なる『○○篇』が当てはめられる予定であったのかもしれません。

これが、今回新たに提示された『黎明篇』と、どう関わってくるのでしょうか。

今回、公式サイドから、『ヤマト』シリーズの一作として新たに『黎明篇』が提起されました。そしてもしも、『復活篇』以後の作品を新たに『○○篇』とする発想が公式側にあるとすれば、

『黎明篇』(第0部)→『復活篇』(第一部)→『○○篇』(第二部)→……

といった青写真を描いている可能性も、決してあり得ないものではないと考えます。

〇旧作とともにある、自立した新シリーズとして

『復活篇』から、今年で12年が経とうとしています。『宇宙戦艦ヤマト』の遠大な歴史からすれば、まだまだ「新」の形容詞が当てはまる作品かもしれませんが、『復活篇』も年々、『完結編』と同じ「旧」の側へと移動しつつあるでしょう。

アクエリアスアルゴリズム』の成績如何によっては、『黎明篇』には更なる新作が予定されているそうです。『黎明篇』にもっと多くの物語が集結すれば、たとえ『完結編』や『復活篇』のような豪華絢爛なアニメーション映画でなくとも、ある一定の存在感を持った『宇宙戦艦ヤマト』作品としてシリーズにその名を刻むことになるでしょう。『復活篇 第0部』から『黎明篇』への改名は、ファンクラブ会報の連載として始まった物語を、一つの「『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ最新作」として世に問うていく、その覚悟を示したものであると私は思います。