※会員更新期限の関係上、ymtetcは『ヤマトマガジン』第11巻、第12巻を未読です。予めご了承ください。
こんにちは。ymtetcです。
『宇宙戦艦ヤマト 復活篇 第0部 アクエリアス・アルゴリズム』と銘打って連載を開始した『アクエリアス・アルゴリズム』が、一般発売を機に『宇宙戦艦ヤマト 黎明篇 アクエリアス・アルゴリズム』へと名前を改めました。
「黎明」とは、
れい‐めい【×黎明】 の解説
1 夜明け。明け方。2 新しい事柄が始まろうとすること。また、その時。「民主主義の黎明」
「夜明け」を意味します。
今日は、この作品の名前が『復活篇 第0部』から『黎明篇』へと転じたことの意味を、考えていきます。
もともと『宇宙戦艦ヤマト 復活篇 第0部』として始まったものが、書籍化にあたって『宇宙戦艦ヤマト 黎明篇』へと改名した。今日ここから読み取りたいことは、二つです。一つは『黎明篇』のシリーズ化と『復活篇』からの自立。もう一つは、ポスト『復活篇』の存在です。
〇『黎明篇』のシリーズ化:『復活篇』からの自立
まず第一に、『復活篇 第0部』から『黎明篇』への変化は、『アクエリアス・アルゴリズム』が『復活篇』から距離を置き、自立へと進んでいることを示していると考えます。
以前のままのタイトルであれば、『アクエリアス・アルゴリズム』は「『復活篇』エピソードゼロ」でしかありませんでした。しかし今回、『ヤマト完結編』『ヤマト復活篇』に並ぶ『ヤマト〇〇篇』としての役割を、『アクエリアス・アルゴリズム』は与えられることになりました。
『完結編』と『復活篇』の間を描く作品でありながら、『完結編 第2部』でもなく『復活篇 第0部』でもない、独立した作品としての役割を与えられているものと考えます。『アクエリアス・アルゴリズム』は、『復活篇』のスピンオフにはとどまらない、独立した『宇宙戦艦ヤマト』の新たなシリーズに転じつつあるのではないでしょうか。
〇ポスト『復活篇』に向けて:『○○篇』の未来
第二に、ポスト『復活篇』にあたる作品の存在を示唆しているものとも考えます。
私たちがここで思い起こしたいことがあります。
『復活篇』副監督の小林誠さんは、以前Twitterで「仮題」として、『復活篇』に続く二作品を『神々の黄昏篇』『終局篇』と呼称したことがありました。
すなわち、もともと『復活篇』というものはあの「第一部」のみであり、「第二部」以降は別の『○○篇』が当てはめられていたのかもしれない。私たちは、その可能性に目を向けなければなりません。
つまり、そもそも『復活篇』三部作とは、
〇『復活篇』(第一部)
→『神々の黄昏篇(仮)』(第二部)
→『終局篇(仮)』(第三部)
と、それぞれ異なる『○○篇』が当てはめられる予定であったのかもしれません。
これが、今回新たに提示された『黎明篇』と、どう関わってくるのでしょうか。
今回、公式サイドから、『ヤマト』シリーズの一作として新たに『黎明篇』が提起されました。そしてもしも、『復活篇』以後の作品を新たに『○○篇』とする発想が公式側にあるとすれば、
『黎明篇』(第0部)→『復活篇』(第一部)→『○○篇』(第二部)→……
といった青写真を描いている可能性も、決してあり得ないものではないと考えます。
〇旧作とともにある、自立した新シリーズとして
『復活篇』から、今年で12年が経とうとしています。『宇宙戦艦ヤマト』の遠大な歴史からすれば、まだまだ「新」の形容詞が当てはまる作品かもしれませんが、『復活篇』も年々、『完結編』と同じ「旧」の側へと移動しつつあるでしょう。
『アクエリアス・アルゴリズム』の成績如何によっては、『黎明篇』には更なる新作が予定されているそうです。『黎明篇』にもっと多くの物語が集結すれば、たとえ『完結編』や『復活篇』のような豪華絢爛なアニメーション映画でなくとも、ある一定の存在感を持った『宇宙戦艦ヤマト』作品としてシリーズにその名を刻むことになるでしょう。『復活篇 第0部』から『黎明篇』への改名は、ファンクラブ会報の連載として始まった物語を、一つの「『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ最新作」として世に問うていく、その覚悟を示したものであると私は思います。