ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2205】古代進、27歳。

こんにちは。ymtetcです。

『ヤマト2205』は、古代進を『2199』の20歳、『2202』の24歳以上に、”27歳”という年齢を感じさせるキャラクターとして描くことに成功していた、と考えます。

今日は、そのことについて書いていきましょう。

なぜ私が『2205』の古代から”27歳”という年齢を強く感じたのか。それは、『2199』や『2202』以上に、『2205』古代の周辺部には”同世代以外”のキャラクターがたくさん配置されていたからだと考えます。上に山南と真田、下に土門です。

そもそも、27歳という年齢が絶妙です。あくまで私の肌感覚ですが、27歳とは「若者の気持ちも分かる大人」として振舞うことができる年齢だと思っています。

まさに『2205』第4話がそうでしょう。「なぜやる前に相談しない?」は、10代の若者からはなかなか出てこない、社会人的な大人の言葉です。ですが一方で、「こっちは経験者だぞ」は、まるで部活の先輩のような言動でもあります。

この両面性こそ、27歳の魅力だと考えます。下の世代から見れば大人でありつつ、上の世代から見ればまだまだ若者。そんな絶妙な立ち位置にいる古代を、『2205』は表現できていたと思います。

それができたのも、『2205』が古代の上と下にキャラクターを配置していたからです。27歳の古代進は、55歳の山南の前では部下であり、36歳の真田の前では後輩であり、24歳の星名の前では同僚であり、18歳の土門の前では先輩なのです。

 

『2202』は、あるスタッフによれば”登場人物を絞り込んだ群像劇”だったそうです。その真意は定かではありませんが、古代、デスラー、山南、藤堂早紀、ズォーダー、加藤など、別々に主人公をピックアップして「愛」という一つのテーマに集約していくやり方が、その表現にあたるのかもしれません。

『2205』では、たしかに『2202』のような、一人一人の物語をじっくりと描く側面が薄れています。そこをもって「薄味」と表現する人もいると思います。ですが、『2202』以上にたくさんの登場人物の物語を少しずつ持ち寄って、一か所に集めたことにはメリットもあります。その一つが、古代の”27歳ぽさ”にあるのではないでしょうか。