ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

『ヤマト2199』の強みを『3199』に繋げられたら……

こんにちは。ymtetcです。

先日、『2199』の第15話、第16話を観ました。

第15話はドメル艦隊にヤマトが包囲される話で、『2202』が土星沖海戦でやり損ねた大艦隊による艦隊戦の描写が光る回です。第16話はイズモ計画派によって反乱が起きる話で、『2205』にも繋がる星名の活躍が心地いい回でした。

今日はこの2話から『2199』の強みを振り返り、『3199』への展望を述べたいと思います。

〇『2199』の強み

『2199』の強みはまず、イベントとイベントを橋渡しする構成の妙でしょう。

『2199』はドラマよりもイベント(出来事)を重視する傾向にありましたが、その良さは第15話と第16話にも存分に発揮されていました。反デスラー体制の動き、ギムレーの行動、セレステラの想い、ゼーリックの野心。などなど、様々な要素が連動して動いている点は、『2199』の最も素晴らしい点の一つだと考えます。

『2199』もう一つの強みは、広がりをもったキャラクター描写です。

特にこの第15話と第16話は、ヤマト艦内の「空気」「雰囲気」を描く巧さが光っていましたよね。威力偵察によってストレスを抱える艦内、航海日程の遅れや補給の不足によって艦内に動揺が広がる様子は、旧『ヤマト』の切迫感を現代風に再現したものと言えます。また、太田・相原といった、エピソードの本筋に関わらないキャラクターの描写が、キャラクター劇としての解像度を高めてもいますね。

〇『2199』『2205』の弱点と『3199』

『2199』の弱点は、こうしたイベントの繋がりやキャラクターの描写によって構築されるエピソードが、シリーズ全体として「一つの作品」に結実していかない部分にあったと思います。それは意識的にそうした面もあるでしょうが、福井ヤマトにどっぷりと漬かってしまった私としては、今や物足りないと思えてしまいます。

反面、福井ヤマトの弱点はキャラクター、特にエピソードの本筋に関わらないキャラクターの描写が深まらない点にありました。それは『2202』の場合作風として実現せず、『2205』の場合は尺の問題で実現し得ませんでした。

ですが『2205』の安田監督は、尺があったならばもっとキャラクターの描写を深めたかった、との考えを持っていたようです。そんななか、安田監督は『3199』でも続投するとのこと。そして『3199』は、全26話です。

ドラマを中心としてシリーズを「一つの作品」にしていく福井ヤマトの中に、安田監督の目指す、より深く多様なキャラクター描写が加わるとどうなるのでしょうか。『2199』と『2205』の強みが融合した、新しい魅力を持った作品の登場に期待したいと思います。