ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト3199】2章ごとに盛り上がる作品にしたい

こんにちは。ymtetcです。

『ヤマト3199』は全26話だと発表されています。そこで今日は、『ヤマト3199』のペース配分について考えていきたいと思います。

〇6~8話ごとがベスト?

『3199』が本当に全26話ならば、6~8話ごとに盛り上がるポイントを作ってはどうでしょうか。

近年のテレビアニメは1クール(12~13話)単位で動いていますが、さらに言えば、それぞれの作品は折り返し地点にあたる6~8話で、一度盛り上がりを作っています。物語のピークを持ってくる場合もありますし、逆に「ミッドポイント」的に物語の最もつらい部分を持ってくる場合もありますが、前者の方が多いと感じています。

折り返し地点で、観客を飽きさせないように作品のヤマ場を作る。これはトレンドと言うよりも、普遍的な脚本の原則だと思います。

しかしリメイクヤマト、こと『2202』の場合は、作品のヤマ場がもっと多い作品になっていました。

その背景にあるのが、全26話=全7章とする公開形式です。

福井さんは『2202』の頃、「映画を7本作っている感覚」と述べていました。そこから、福井さんは毎章、映画として盛り上げることを意識していたと分かります。

もちろん、章ごとに一本の映画として盛り上げる、との視点は重要です。しかしそこに囚われすぎると、緩急がつけにくくなります。

6~8話ごとに盛り上げるなら、第二章ラスト(第6話)、第四章ラスト(第14話)、第六章ラスト(第22話)に向けて作品のピークを持ってくることになります。第一章と第七章は(それぞれ導入と終結で)否が応でも盛り上がりますから、これくらいのペースなら、観客を飽きさせず、なおかつ緩急をつけたシリーズが作れると考えます。

繰り返しになりますが、もちろん章ごとに盛り上げることは重要です。しかし章単位だけで考えるのではなく、複数の章で考える、という視点を持つことで、より一層、観客の感情の起伏を生み出す余地が生まれます。

また、前作のノウハウを活かせる点もメリットです。

『2205』は全8話。前半4話だけでも一定程度の盛り上がりを作りつつ、観客の感情のピークは後半4話に持ってくる、という構成でした。これと同じように第一章&第二章、第三章&第四章、第五章&第六章を考えることで緩急をつけ、例えば『2205』の訓練シーンのような、キャラクターの人間模様にフォーカスした場面を増やしていくことが可能になると考えます。

まとめると以下の通りです。

  • 第一章&第二章(1~6話)
  • 第三章&第四章(7~14話)
  • 第五章&第六章(15~22話)
  • 第七章(23~26話)

「7本の映画」ではなく「3本の前後編+1本の映画」と考えることにより、いっそう尺に余裕をもった作品づくりが可能になるのではないでしょうか。