こんにちは。ymtetcです。
昨年末、今の『宇宙戦艦ヤマト』には「『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ最新作であること」以上の付加価値がない、というお話をしました。
では、「付加価値がない」これからの『ヤマト』は、どう展開していくべきなのでしょうか。
先日、過去記事「今の『宇宙戦艦ヤマト』には付加価値がない」に、以下のようなコメントを頂きました。
やはり鉄腕アトムやサイボーグ009のように、十数年から数十年おきにリメイクされる名作というのがヤマトのポジションではないでしょうか。
(和邇田ミロー様)
これは、私も同意見です。
現在の『宇宙戦艦ヤマト』において重要なことは、第一作以上に優秀なプロットを持つ作品が、これまで存在していないことです。
第一作の「人類滅亡まで1年と迫る中、遠く離れた女神の星でコスモクリーナーを受け取るために、宇宙戦艦ヤマトが旅立つ」という「西遊記」プロット。
これ以上に優れたプロットを持つ『宇宙戦艦ヤマト』は、現在まで存在しないと思います。例えば『さらば』のプロットも、「第一作の続編」として完璧だっただけで、第一作以上の優秀なプロットを持っていたわけではありません。
となると、現在の、そしてこれからの『ヤマト』が向かう道として、考え得るものは二つです。
一つは、第一作をひたすらリメイクすること。もう一つは、第一作を上回る優秀なプロットを目指して、新作プロットを開発し続けることです。
私は、この二つのアプローチは同時並行でやるべきだと考えます。
出渕さんが『2199』を、福井さんが『2202』を作った時、ファンの間では様々な議論が起こりました。『2199』を通じて旧作第一作の魅力が改めて議論され、言語化されていきました。また、『2202』を通じて福井さんが言語化した『さらば』像は、『さらば』を議論するうえでの一つの叩き台として重要な資料です。
このように、原作をリメイクすることで、原作の理解は深まっていきます。
第一作をひたすらリメイクし続けることができれば、そのたびに、我々ファンの第一作『宇宙戦艦ヤマト』への理解は深まっていきます。
そして、この「第一作『ヤマト』への理解」こそ、第一作を上回る優秀なプロットを新たに生み出すためには、必要なものだと考えます。第一作に対する確固たる理解のないまま、第一作と似たような、あるいはそれを上回るプロットを作ろうとしても、作り手の狙い通りには進まないと思います。
第一作『ヤマト』のリメイクを繰り返すことで第一作『ヤマト』への理解を深めつつ、第一作『ヤマト』を上回る新しい『宇宙戦艦ヤマト』を模索する。この道の先に、『宇宙戦艦ヤマト』が生き残るために必要な答えがあるのではないでしょうか。
さて、「そんなに何度もリメイクする体力は今の『ヤマト』にはない」とお考えの人もいると思います。しかし、ここでいう「リメイク」は、決して公式からのものに限らないと考えます。『2199』の原点が同人活動であったように、同人活動/ファン活動の中で、旧作第一作の新たなリメイクが生み出されてもいいのではないでしょうか。