こんにちは。ymtetcです。
今日は、新シリーズ「福井晴敏の『ヤマト2205』語り」を立ち上げます。
「福井晴敏の『ヤマト2202』語り」の続編にあたります。
では早速、やっていきましょう。
まずはこの記事です。
この記事には3つの語りがありました。
「2202」でやりきった感はあったのですが、古代の精神的なリハビリテーションまでをきちんと描くとなれば「あとは宜しくね」と言えず、「やりましょう」と。
(略)
当時の印象に残った音楽、筋立てをきちんと残しつつ、あとは「2202」から続く物語として新たに作っていきました。その道標として、かつての「新たなる旅立ち」で印象的だったところを配置していけばいい。
(略)
ささやかに守ってきた人生が根底から覆され、それをどう乗り越えて立ち直っていくかをきちんと描ければ、これが今回のテーマになる。
ここから導き出されるのは、
- 「古代の精神的なリハビリテーションまでをきちんと描く」作品
- 当時の印象に残った音楽、筋立てをきちんと残しつつ、「2202」から続く物語
- 「ささやかに守ってきた人生が根底から覆され、それをどう乗り越えて立ち直っていくかをきちんと描」く作品
この3点です。
次の記事はこちらです。
この記事には2つの語りがありました。
「不思議なことに今の世の中に向けたような内容になっていますね。しょうがないじゃないか?と皆が座り込み、膝を抱えている状況で、もう一度立ち上がってみないか?と呼びかるために何をしたらいいのか? 人間が生きていくのは何のためだろう?と。昔は、疑いなく発展するため、幸せになるためだったけど、今は、その発展の代償をここまで突きつけられていると、素直にそうは言えなくなっている。でも、やっぱり幸せになるためには譲れないものがある」
(略)
「原作は、ファミリー路線に転換しようとしたんですよね。大河路線をやろうとしていたけど、子供向けにすることを考えて、そうなったと思うんです。そこを踏襲するわけではないけど、若者だけに視点を置くのではなく、沖田の世代、古代の世代にも視点を置くことで、結果として3世代の視点、ファミリー向けとして見ることができるようになった。懐かしさの正体はそこです。今はファミリーものがあまりない。特定の世代に向けた作品ばかりですしね。『2199』が始まった頃から時代も変わりました。全世代に向けようとすると、デッサン狂いが生じてしまうと思うんです。倉本聰さんが『やすらぎの郷(さと)』で特定の世代に向けたようなものは、アニメでは意外にまだありません。特定の層に向けているけど、もっと広く見ていただきたい。それこそ、映画は400万人を動員したわけなので、まだまだできると思うんですよね」
ここから導き出されるのは以下の2点です。
- 「人間が生きていくのは何のためだろう?」を描く作品。
- 「特定の層に向けているけど」「3世代の視点、ファミリー向けとして見ることができる」作品。
今日はあと一つ、記事を読んでおきましょう。
福井さんは「3199」に向けて「今作(2205)をもってようやく『宇宙戦艦ヤマト』というものが、大人が見られるものになったと思います。皆様が生きてきた年月をもって共感できる。アニメでできるようで、できていないことだった。『3199』でより高みに持ち上げていきたい。こういう状況なので、少しお時間をいただきますが、頑張っていきますので、よろしくお願いいたします」と話した。
ここから、
- 「大人が見られる」作品。
- 「皆様が生きてきた年月をもって共感できる」作品。
の2点が読み取れます。
では、ここまでを整理しておきましょう。
『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』とは……
<古代進の物語として>
- 「古代の精神的なリハビリテーションまでをきちんと描く」作品。
<リメイク・ヤマトとして>
- 当時の印象に残った音楽、筋立てをきちんと残しつつ、「2202」から続く物語。
<作品のテーマ>
- 「ささやかに守ってきた人生が根底から覆され、それをどう乗り越えて立ち直っていくかをきちんと描」く作品
- 「人間が生きていくのは何のためだろう?」を描く作品。
<作品のターゲット>
- 「特定の層に向けているけど」「3世代の視点、ファミリー向けとして見ることができる」作品。
- 「大人が見られる」作品。
- 「皆様が生きてきた年月をもって共感できる」作品。
まず初回は、このあたりにしておきたいと思います。
興味深いのは、先日紹介した「シニア向け」に対して、別の記事では「特定の層に向けているけど」「ファミリー向け」と述べていることです。福井さんは「もっと広く見ていきたい」「まだまだできる」と、『ヤマト』のポテンシャルを語っています。
同じ『やすらぎの郷』を例に挙げている語りではありますが、受ける印象は全く異なりますね。
この点は、他の記事も読みながら、さらに深めていければと思います。