こんにちは。ymtetcです。
『ヤマト2205』とは、福井さんにとってどんな作品か?を考えるこのシリーズ。
今日は、たくさんの情報が込められたこちらの記事を読んでいきます。
この記事には、非常に語りが多かったです。
悲しいことがいっぱいある時代だけど、人間ってそんなに悪くない……と最後に浮かび上がるようにできれば、とシンプルなんです。素晴らしいとは言い切れない時代ですが、ちょっとしたことの中にでも希望や救いを少しずつ見いだして、何とか前進する気持ちを忘れずにいよう。我々には、その価値があると。すごく控えめな人間賛歌なんです
ここから導き出されるのは、
- 「悲しいことがいっぱいある時代だけど、人間ってそんなに悪くない」と伝える作品。
- 「素晴らしいとは言い切れない時代ですが」「希望や救いを少しずつ見いだして」「何とか前進する気持ちを忘れずにいよう」「我々には、その価値がある」と伝える作品。
です。
語りはさらに続きます。
いろいろな世代に見てもらいつつも、『宇宙戦艦ヤマト』をコアで支えてくれているファンの方は人生でいろいろ経験をしている世代ですし、いろいろなことが覆される経験もしているはずです。昔の『宇宙戦艦ヤマト』は、時代的にも未来に対する揺るぎない信頼がありましたが、今は未来がバラ色では済まない。でも、『宇宙戦艦ヤマト』であるからには、人間への賛同の意を示したい。若者が未来に恐怖を覚える時代ですし、生きていく道筋に懐中電灯くらいの光を照らし、次の足場を定めていくことしかできない。でも、光の温かさを描きたかった
ここから分かるのは、
- 「未来がバラ色では済まない」時代に、「人間への賛意を示したい」作品。
- 「若者が未来に恐怖を覚える」時代に、「生きていく道筋」を照らす「光の温かさ」を描く作品。
です。
あらゆる喪失の中でどうやって立ち向かうのか? デスラーは支えを失います。でも、思いだけで行動する。愚かだけど、人間のいいところでもあります。それを応援できるのは、いいことだと思います。インターネットは、得する情報、利口になる方法であふれているけど、それだけでは人生が痩せていきます。自分たちがどこに足場を置いて、何を芯にするのか?を見つめ直せる話になればという思いがありました
さらには、
- 「自分たちがどこに足場を置いて、何を芯にするのか?を見つめ直せる話」。
人間は時代によって変わる。これまでのシリーズの古代は何だかんだと守られていたけど、『2205』の古代は、誰も守ってくれない。雪だけがわずかな支えになる。終身雇用が揺るぎない過去の価値観と、今の価値観の違いでもあります。今回は、そこを突き詰めました。イスカンダルとガミラスの真相を聞いて、ええ!?となりつつ、そうだよな……と思うはず。元々の作品から全く外れるのではなく、守っているものもあります。『宇宙戦艦ヤマト』には、コアとなるものがあり、価値の再発見をしようとしました。懐古主義としてやると、閉じてしまうけど、コアを煮詰めて、何が残るか?を考えた。人間は戦争をやめられないけど、人間はそんなに悪くないもんだと。そこがよさでもある。それが言いにくい時代にどんどんなっているけど、言っていく
- 『宇宙戦艦ヤマト』の「コアとなるもの」の「価値の再発見」をする作品。
- 「人間は戦争をやめられないけど、人間はそんなに悪くない」と伝える作品。
愛では切り抜けられない危機になっている。でも、薮(助治)もデスラーも古代進も“あの顔”で最後を迎えます。人間に唯一できるのは、一つずつ前進すること。立ち止まってしまい、どうにもならないと思っている人もいるかもしれませんが、止めていた足を動かしていただけると本望です
- 「人間に唯一できるのは、一つずつ前進すること」だと伝える作品。
と続きます。
では、最後に整理しておきましょう。
『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』とは……
<古代進の物語として>
- 「古代の精神的なリハビリテーションまでをきちんと描く」作品。
<リメイク・ヤマトとして>
- 当時の印象に残った音楽、筋立てをきちんと残しつつ、「2202」から続く物語。
<作品のテーマ>
- 「ささやかに守ってきた人生が根底から覆され、それをどう乗り越えて立ち直っていくかをきちんと描」く作品
- 「人間が生きていくのは何のためだろう?」を描く作品。
- 「悲しいことがいっぱいある時代だけど、人間ってそんなに悪くない」と伝える作品。
- 「素晴らしいとは言い切れない」時代に、「希望や救いを少しずつ見いだして」「何とか前進する気持ちを忘れずに」生きていく、「我々には、その価値がある」と伝える作品。
- 「未来がバラ色では済まない」時代に、「人間への賛意を示したい」作品。
- 「若者が未来に恐怖を覚える」時代に、「生きていく道筋」を照らす「光の温かさ」を描く作品。
- 「自分たちがどこに足場を置いて、何を芯にするのか?を見つめ直せる話」。
- 「人間に唯一できるのは、一つずつ前進すること」だと伝える作品。
<作品のターゲット>
- 「特定の層に向けているけど」「3世代の視点、ファミリー向けとして見ることができる」作品。
- 「大人が見られる」作品。
- 「皆様が生きてきた年月をもって共感できる」作品。
今回は、作品のテーマに関する内容が多かったですね。
いくつか読み取れたものとしては、福井さんが現代について「悲しいことがいっぱいある」といったネガティブな捉え方をしている、ということです。
また、福井さんはヒューマニズム=人間肯定、を『ヤマトらしさ』だと考えているようですね。これは福井さんのプロデュース方針にもつながってきますので、今後深堀していきたいテーマです。