ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

福井晴敏の『ヤマト2205』語り パート3

こんにちは。ymtetcです。

今日も、福井さんが『ヤマト2205』をどう語っているか?を積み上げていきましょう。

まずは、『2205』舞台あいさつを取り上げているこちらの記事。

www.cinematoday.jp

福井は「今作は、古代にとってリハビリの物語。2202であんなにひどいことになってしまった古代にとって、もう一度人間として立ち直って周囲と向き合えるようになるための期間なんです」と説明すると、

ここからは、『2205』は、古代が「もう一度人間として立ち直って周囲と向き合えるようになるための期間」を描く作品だということが分かります。

続いては、こちらです。

tokushu.eiga-log.com

今回は、ヤマト好きの人たちだけではないところに目を向けなければいけないのが大命題としてあった。それでヤマト世代ではない安田さんに監督をお願いしたのもあります。そういう配置をして作った結果、昔のテレビアニメとかってキラキラしたものばかりじゃなくて、すごい泥くさいお話とか平気でやっていたじゃないですか。それこそ『巨人の星』とか。特に、『巨人の星』といえば『ヤマト2』と『ヤマトⅢ』がやっていた土曜の19時枠、その前後が確か『新巨人の星』とかありましたよね。詳細に見てた覚えはないんですけど、すごい大人向けでしたよね。星飛雄馬もすっかり大人になっちゃって、実写みたいな企業のシビアな話とか。今回の『新たな旅立ち』はあの枠で放送するのに相応しい空気を結果的に持つ構造になっていた。

ここからは、

  • ヤマト好きの人たちだけではないところに目を向けなければいけなかった作品。
  • すごく泥くさいお話を描く作品。

が読み取れます。

最後に、こちらの記事を読みましょう。

dot.asahi.com

現代日本、とくに2011年の震災以降に置かれた状況ときちんと対照させたいという思いがありました。明日どうなるかわからない、今の日本の状況と同じような状況に、『2205』の地球はある。現実の空気との親和性を保ちながらシリーズの連続性を持たせて描いていきたかった。脚本はコロナ禍の前に書き終わっていたのですが、不思議なもので、結果的にコロナ禍以降の世界に向けて作ったお話のようにもなっています

ここからは、

  • 現代日本、とくに2011年の震災以降に置かれた状況と対照させたい作品。

が読み取れますね。

1作目のヤマトが発進した時代には、人類はもっと宇宙に進出し、発展した未来と良い生活が待っていると疑いなく感じていたと思うのですが、それらは残らず裏切られた現代。そうした状況に真正面から向き合い、まさに『新たなる旅立ち』となる作品にしたつもりです。また、原作を知らない世代には、渋くて見づらい作品のように映るかもしれませんが、だまされたと思って見てください。きっとあなたたちが今一番必要としているものが、ここにあります

最後はこちらです。

  • 「原作を知らない世代」が「今一番必要としているもの」を描いた作品。

では、ここまでの内容を整理しておきましょう。

 

宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』とは……

古代進の物語として>

「古代の精神的なリハビリテーションまでをきちんと描く」作品。

古代が「もう一度人間として立ち直って周囲と向き合えるようになるための期間」を描く作品。

<リメイク・ヤマトとして>

当時の印象に残った音楽、筋立てをきちんと残しつつ、「2202」から続く物語。
<作品のテーマ>

「ささやかに守ってきた人生が根底から覆され、それをどう乗り越えて立ち直っていくかをきちんと描」く作品
「人間が生きていくのは何のためだろう?」を描く作品。
「悲しいことがいっぱいある時代だけど、人間ってそんなに悪くない」と伝える作品。
「素晴らしいとは言い切れない」時代に、「希望や救いを少しずつ見いだして」「何とか前進する気持ちを忘れずに」生きていく、「我々には、その価値がある」と伝える作品。
「未来がバラ色では済まない」時代に、「人間への賛意を示したい」作品。
「若者が未来に恐怖を覚える」時代に、「生きていく道筋」を照らす「光の温かさ」を描く作品。
「自分たちがどこに足場を置いて、何を芯にするのか?を見つめ直せる話」。
「人間に唯一できるのは、一つずつ前進すること」だと伝える作品。

すごく泥くさいお話を描く作品。

現代日本、とくに2011年の震災以降に置かれた状況と対照させたい作品。

「原作を知らない世代」が「今一番必要としているもの」を描いた作品。

<作品のターゲット>

「特定の層に向けているけど」「3世代の視点、ファミリー向けとして見ることができる」作品。
「大人が見られる」作品。
「皆様が生きてきた年月をもって共感できる」作品。

ヤマト好きの人たちだけではないところに目を向けなければいけなかった作品。

 

ということで、今日はひたすらメモを追加していきました。

「原作を知らない世代」や「ヤマト好きの人たちだけではないところ」など、新しい視点が出てきましたね。ここからまたさらに深めていければいいなと思います。