ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

「初心者向けヤマト」の難しさ

こんにちは。ymtetcです。

本日はおやすみです。

送迎会シーズンです(笑)

さて、今日短く考えていきたいのは、「初心者向けヤマト」についてです。『水星の魔女』が「初心者向けガンダム」だと言われている様子を見て、では『ヤマト』ではどうなのだろう、と思ったのです。

ところが、これが大変難しい。

なぜかというと、ヤマトは基本的に、イスカンダル編から完結編・復活篇まで、同じ宇宙の時系列で展開されているからです。

とすると、事実上「初心者向けヤマト」はイスカンダル編の第一作、すなわち1974年版と2199だけ、ということになります。

ところが、イスカンダル編はテレビシリーズにして第26話、それでも足りないとする意見もあります。

しかも、イスカンダル編は劇場映画にまとめるのが大変難しい。テンポを高めればイスカンダルへの長旅を矮小化してしまうし、旅路をじっくりと描けば映画としてのテンポは悪くなってしまいます。現代のクリエイターをもってしても、成功したとは言い難い『追憶の航海』や、続編と抱き合わせてテーマ史的にまとめた『ヤマトという時代』など、苦悩の痕跡が見えます。

もう一つの問題が、イスカンダル編はまだいいものの、その続編をめぐってはとても一枚岩にはならない状況である、ということです。1974に続くのはさらばなのかヤマト2なのか。2199に続くのが2202でよいのか、など、イスカンダル編の続編は賛否両論がつきものな形になっています。

その点、実写版の「イスカンダル編とさらばの終盤を組み合わせて一作で完結させる」構成は革命的でした。しかし、あれは実写版という「別物」だからこそ何とかなったものであり(それでも批判はありました)、たとえばアニメのリメイクであれをやってしまえば、恐るべき数の批判意見が待っていることでしょう。

イスカンダル編のプロットは歴史的に見ても不朽の名作の部類に入ると思います。ただ、それをどう描き、完結させるのがベストなのかは、誰もわからない。正解は恐らく存在しないのです。

入口は良くても、出口に迷路が待っている。それが「初心者向けヤマト」の難しさ、そしてリメイクの難しさですね。