こんにちは。ymtetcです。
『ヤマト2199』には、ネットスラングで「お風呂回」「水着回」と言われるようなシーンがあります。私個人の経験から、『ヤマト2199』は、あのシーンがあることによって「家族の前で観られない(観づらい)」作品になったと考えます。
しかし当時は、これを擁護する意見もありました。
擁護意見としては、おおよそ「旧作にもサービスシーンはあった」「現代アニメなのだから、それくらいあってもいい」の二つに分けられます。
前者は、「お風呂回」も「水着回」も旧作にはありませんので(デスラーの風呂はありますが)、いったん置いておきましょう。
今日は後者の「現代アニメなのだから」の部分に注目していきます。
奇しくも、「お風呂回」や「水着回」と同様の理屈で擁護されていた「アホ毛」は、『2199』から『2202』へと転じた際、「お風呂回」「水着回」「アホ毛」ともども作品から排除されることになりました。
ここで考えるべきは、「お風呂回」や「水着回」がなくなって、果たして”ファンは減ったのか”ということです。反対に、『2199』に「お風呂回」や「水着回」があったことで、”ファンは増えたのか”と考えることもできます。
私は、いずれもそうではないと考えます。そして、仮にそうだとしても、それで増えたり減ったりするようなファンなら、敢えて追いかける必要はないと考えます。
もちろん、平成のアニメ界隈には、「お風呂回キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」的スレッドを作る風習はあったと記憶しています。ただ、それがファン層の拡大につながったか?
観ている観客の一部を喜ばせる効果はあったとしても、新たにファンを惹きつける効果は、きわめて限定的だと私は思います。それ以上に、そうしたシーンがあることによって、「家族の前で観ることを憚られるシーンのある作品」に変えてしまうデメリットの方が、はるかに大きいのではないでしょうか。
『2199』は、あらゆる面で『宇宙戦艦ヤマト』の現代化に挑戦しました。もちろんそれは、旧『ヤマト』の後発作であったSFアニメへの反撃ともいえる、モダンな設定を生み出しました。しかし一方で、当時の「深夜アニメ」的文脈から生まれた、一般向け作品とは異なる設定や場面も散見されます。この点は、リメイクシリーズの第一作として、試行錯誤がなされていたことの表れと言えますね。