ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

ブログ執筆のすゝめ(2020年夏版)

こんにちは、ymtetcです。

ymtetc.hatenablog.com

前回の記事では、「考える」こととヤマトファンの集合知の必要性を書きました。

今回の記事では、「考える」そして「考え」たことを積み上げるツールとして、ブログをおすすめしたいと思います。

ブログは古のインターネットより存在するツールで、近年ではSNSに押され気味。ですが、ブログにはブログの良い点があります。例えば、前回の記事は2783文字。これと全く同じ文章をTwitterに投稿するためには20個のツイートが必要です。スレッド形式にまとめるにしても、20個も連なったツイートを全部読んでくれる人はそうそういませんよね。掲示板も同様ですが、SNSでは長文が疎まれる傾向にあるのです。ところが、ブログはどうでしょう。「2783文字? そんなもんじゃない?」で済みます(笑)。

加えて、ブログは過去記事へのアクセスが容易なのも利点です。例えば、前回は「ヤマトらしさ」をテーマに記事を書いたので、思い切って「ヤマトらしさ」のカテゴリを設置しました。

「ヤマトらしさ」 カテゴリーの記事一覧 - ymtetcのブログ

こちらをクリック/タップしていただければ、私がこれまで書いてきた「ヤマトらしさ」関連記事を読むことができます。このように、ちゃんと整理をすれば(私はあまり整理が得意ではありませんが)テーマごとに記事を一覧できるのも、ブログの利点です。あるいは月別アーカイブを見ると、初期から現在までに至る、私の変わりようを確認することもできますね(笑)。もちろんSNSにも検索機能がありますが、その一覧性の高さと容易さは、ブログ特有の魅力だと言えます。

議論を蓄積する上では、その過程が残り続けることが大切です。その点において、『宇宙戦艦ヤマト』をテーマとしたブログがより活発になれば、また新しい議論のステージも見えてくるのではないでしょうか。

実は最近、ブログの書き方を変えました。より継続しやすいやり方で、より簡単に、を目指して考えた書き方です。そこで今日はおすすめの書き方としてこれを紹介し、少しでもブログ執筆に興味を持っていただけたらと思います。

2日かけて、一本の記事を書く

ここ4本くらいの記事で、ブログの書き方が変わっていることに気づいた方はおられるでしょうか。実は以前までは、その時その時の気分に応じてブログを書いていました。ところが、更新頻度が固定されているのに対して執筆頻度が流動的になると、上手く書けている時はいいのですが、上手く書けていない時に更新が難しくなってくるんです。

そこでこの1週間は、改めてブログの執筆頻度、時間を再整理して、新しい書き方に挑戦することにしました。それが、以下のスケジュールに基づいた執筆です。

  • 日頃から:記事の「結論」(後述)をメモしておく。
  • 1日目:作業時間は30分だけ。ブログの下書きをする。
  • 2日目:作業時間は無制限。1日目の下書きを文章化し、記事にする。

この書き方を徹底すれば、安定して2日に一本、記事が書けるということになります。

日頃から:「結論」のメモ

まず大切なのは、日頃から記事の「結論」をメモしておくことです。難しく考える必要はありません。自分が主張したいこと=「結論」です。

例えば、前回の記事の「結論」はこれでした。私のメモをそのまま載せます。

結論:”「ヤマトらしさ」とは何か?”これは正解のない問いだ。正解のない時代である、と言われて久しい。正解のない問題への対応は一つ、ただ考え続けるしかない。オリジナルスタッフの手を離れた(離れてしまった?)『宇宙戦艦ヤマト』は、最早後戻りはできない。前に進み続けて、考えて、一人一人がそれぞれの答えを出し続けるほかない。ファンにも作り手も、最早立ち止まってはいけない時代になったのだと思う。そして『Λ』はその呪縛の正反対から「ヤマトらしさ」を照らすものになるだろう。

こういったものを日頃からメモしておくと、しばらくは記事のネタに困ることはありません。

1日目:内容を下書きする

ここからは、定期的に繰り返す作業を紹介します。私は現在偶数日更新、実質的には「2日に1回」更新なので、少なくとも「2日に一本」は記事を書かなくてはなりません。

そこで私は、思い切って作業を2日に分けることにしています。

まず1日目は、日頃からメモしてある「結論」を中心に、内容を下書きしていく時間です。ここでは箇条書きだったり、適当なメモ書きだったりします。

具体例として、前回の記事のメモ書きを引用してみましょう。

前提:『復活篇』の登場で、「ヤマトらしさ」そのものが問われる時代になった。「ヤマトらしさ」を言語化しなければならない、その問題意識は皆が持っているだろう。「最大公約数」を掲げた『2199』、「ヤマトの真の復権」を掲げた『2202』。常にヤマトファンは「ヤマトらしさ」を問われてきた。

結論:”「ヤマトらしさ」とは何か?”これは正解のない問いだ。正解のない時代である、と言われて久しい。正解のない問題への対応は一つ、ただ考え続けるしかない。オリジナルスタッフの手を離れた(離れてしまった?)『宇宙戦艦ヤマト』は、最早後戻りはできない。前に進み続けて、考えて、一人一人がそれぞれの答えを出し続けるほかない。ファンにも作り手も、最早立ち止まってはいけない時代になったのだと思う。そして『Λ』はその呪縛の正反対から「ヤマトらしさ」を照らすものになるだろう。

自分なりの答え:ymtetcなりに考えた一つのアプローチとして、「人類最後の希望」論がある。これは何か。「地球を救う使命を帯びて戦う」ヒロイズムに『宇宙戦艦ヤマト』らしさを見出そうとした試みだ。オープニングテーマ「宇宙戦艦ヤマト」の変奏曲(例:「元祖ヤマトのテーマ」「未知なる空間を進むヤマト」「ヤマト渦中へ」など)にのって、宇宙戦艦ヤマトが大切なもの(例:地球、イスカンダル)を救うために戦う。ここに我々は「『ヤマトらしさ』」を感じているのではないか、と考えたものである。

他の考え方:当然、これは唯一の正解ではない。

結論の再話:『2199』が目指した「最大公約数」、『2202』が目指した「ヤマトの真の復権」。ヤマトファンは、これを十分に検討したと言えるだろうか。思考実験的に、『2199』が「最大公約数」を達成したと仮定しよう。達成したとして、それが十分に検討されなかったらどうなるか。再現性がなくなるのである。逆に言えば、考え続けて集合知を形成することで、限りなく再現性を高めることは可能である。一人一人が考え続けて、一つでも多くの「答え」を積み重ねることが「最大公約数」の実現と、その再現性の担保に繋がるのだ。限りなく「最大公約数」に近い「ヤマトらしさ」を解き明かすことができれば、それは監督一人の力量には依存せず、原作の魅力にも左右されない。出渕監督でも羽原監督でも、『新たなる旅立ち』でも『永遠に』でも『完結編』でも『2520』でも構わない。

「結論」部を中核として、その前後に色々と話を付け足していることが分かりますね。

また、私が1日目の作業で大切にしているのは、作業時間を30分に限るということです。

なぜなら時間制限をしないと、記事の内容が無限に膨らみ続けるんです(笑)。

ですのでここは心を鬼に(?)して、作業を30分で打ち止め。もちろん、その日の調子によって記事のボリュームやクオリティが左右されますが、ここは仕方ありません。

2日目:下書きをひたすら文章化

2日目(更新日の前日にあたる)は、1日目の内容をひたすら口語調の文章にしていきます。完成しないと記事は投稿できないので、この作業には時間制限を設けていません。30分くらいで終わってくれるとありがたいのですが、私の場合は大体1時間くらいはかかってしまいますね。繰り返し読んでいただくことになりますが、例として前回の記事の冒頭部を引用しておきます。読み飛ばしてくださって構いません。

<メモ書き>

前提:『復活篇』の登場で、「ヤマトらしさ」そのものが問われる時代になった。「ヤマトらしさ」を言語化しなければならない、その問題意識は皆が持っているだろう。「最大公約数」を掲げた『2199』、「ヤマトの真の復権」を掲げた『2202』。常にヤマトファンは「ヤマトらしさ」を問われてきた。

<投稿記事>

こんにちは。ymtetcです。

宇宙戦艦ヤマト 復活篇』が登場した2009年以降、「ヤマトらしさ」が問われる時代になったと考えています。もちろんそれ以前から「ヤマトらしさ」は問われ続け、それは例えば「『2520』はヤマトではない」などといった形で表現されてきました。そして、この潮流がネット時代(『2199』後半以降はSNS時代)になり、一人一人が多様な「ヤマトらしさ」に触れる機会が増えたことで、現在はいっそう各々の考える「ヤマトらしさ」が問われる時代になった、と考えます。

『2202』『2205』で脚本を務める岡秀樹さんは、これを「誰が決めたわけでもない」「無言のルール」と表現し、「ヤマトの発展と広がりを遠ざけている」と指摘します。そして、この「厳然としたルール」を「飛び越え」る作品として、『スターブレイザーズΛ』に期待のコメントを寄せています。これには私も同意します。

ですが同時に、こうも思います。「結局、『ヤマトらしさ』って何なんだ?」と。

保守的な私は、「ヤマトらしさ」を壊す必要は感じていません。壊すのではなくより普遍的なものに昇華し、その表象を時代に合わせて作り変えていくことが大切だと考えています。ですが現状、その前提となるはずの「ヤマトらしさ」そのものが満足に言語化されているとは思えません。そこで今回は、この「『ヤマトらしさ』が問われる時代」に我々がどう向き合っていくべきか、考えてみたいと思います。

このように、文章化を進める過程で、いくつか内容を変更した点もあります。

こうして2日間、計1時間30分程度の時間をかけて、一本の記事が完成します。Youtuberなどに比べると随分手軽な作業です*1

1時間半ならば1日で作業が終わるのではないか、と思われるかもしれませんが、2日に分けることで、客観視する時間を持つことができます。そうすると、少しだけクオリティの低下を抑止できます。

ステップアップ!:下書きにおける節分け

1日目に書く下書きは、基本的にはどんな形式でもいいと思います。私は「これを言いたい!」という熱量を大切にすることにしています。

ただ、2日目の作業のしやすさ、ということを考えると、先ほど引用した前回のメモ書きのように、予め節分けをして構成を作っておくといいと思います。前回のメモ書きでは、「前提」→「結論」→「自分なりの答え」→「他の考え方」→「結論の再話」という構成を1日目の時点で作っています。こうすると、2日目の作業が進めやすくなります。

ちなみに、本来であれば「結論」→「根拠」→「想定し得る反論とそれに対する再反論」といった流れをとるのが理想です。その点から言えば、前回の記事には「根拠」がありません。このように記事の弱点をチェックできるという意味でも、1日目に構成を作っておくメリットはあると思います。

毎日投稿の進め方

2018年は私も毎日投稿をやっていました。毎日投稿はやはり理想です。今でも、できることならやりたいくらいです(笑)。

そこで以下に、毎日投稿のやり方を考えてみます。

先述しましたが、時間を空けて読み直すとクオリティの低下を抑止できます。故に、仮に毎日投稿でも、1日目と2日目を分けて作業をするのがおすすめです。

  • 日頃から:「結論」(主張したいこと)をメモしておく
  • 1日目:「結論」を膨らませて、内容を下書きする(時間制限)。
  • 2日目:1日目の下書きを記事にして投稿。次の記事の内容を下書き(時間制限)。
  • 3日目:2日目の下書きを記事にして投稿。次の記事の内容を下書き(時間制限)。
  • 4日目以降:2日目以降の作業を繰り返す。

こうすれば、毎日投稿は不可能ではありません。ただ、単純に作業時間がほぼ倍になってしまいます。よって、下書きの時間制限を半分(15分)にしておくといいかもしれません。こうすることで、記事にする作業も短縮できますからね。

もちろん、時間に余裕のある方はもっと時間制限が長くてもいいと思います。また、時間に余裕がある時期は時間制限を長く、忙しい時は短く、といった形で作業時間を調整するのもいいでしょう。

ちなみに私の場合は、日頃のメモ書きが更新頻度に追いつかないので、現在は毎日投稿ができていません。皆さまもご自分に合った更新頻度を考慮されるとよいと思います。

ブログのすゝめ

内容ではなく時間で作業を区切るのが、この書き方の大きなポイントです。

内容を軽視してはいけませんが、内容にばかり注意してしまうと、話を膨らませすぎてしまい、却って「これは何を書く記事なんだ?」と迷走をしてしまうことがあります。これを防ぐためにも、内容を決める際には時間制限がおすすめです。

調子の悪い時にどうするか、これが継続更新のヤマ場だと感じます。そんな時、もっとも大切なのは、「これを言いたい!」という熱量です。その意味でも、主張をまとめる時間と主張を文章化する時間を分けて作業をするのがいいと思いますね。

「これを言いたい!」の想いが文章になって記事となった時の喜びこそ、ブログの醍醐味だと最近実感します。最近ブログ更新してないな~という方、始めてみようかな~という方に、少しでも今回の記事が参考となれば幸いです。