こんにちは。ymtetcです。
『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』の冒頭14分が公開された昨日。同時に、『2205』の「新人クルービジュアル」も公開されました。
それがこちら。
そこには「一致団結、してみる?」との独特なキャッチコピーが添えられています。
結論から言いましょう。私はこの「新人クルービジュアル」とキャッチコピーに、リメイク『ヤマト』史上かつてないほど胸を高鳴らせました。
今日は急遽、この理由について書いていきます。
〇「一致団結、してみる?」の意味
そもそも皆さまは、この「一致団結、してみる?」の意味をどう捉えているでしょうか。
細かく見てみると、この言葉は「一致団結する」と、「〇〇してみる」の二つが合体してできていることが分かります。つまり語義をそのまま捉えれば、この言葉の意味は「試しに一致団結してみる」となるでしょう。
ですが、私はそうではないと考えています。
私は、この「一致団結、してみる?」は、有り体に言えば「一致団結、しよう」の意味だと捉えています。
少し下世話な例え話をしてみましょう。
あるところに、男女がいた。二人は出会った頃からそりが合わず、会話をしてはすぐ口げんかをしていた。でも、そんなやりとりを続けるうち、二人はどこか互いに惹かれ合うようになり、着実に距離を詰めていった。いつしか二人は、傍から見ても「仲の良い」関係に変わっていった。
そんなあるとき、二人のどちらかがこう言った。
「私たち、付き合ってみる?」
では問題です。ここでいう「私たち、付き合ってみる?」は次のうち、どちらの意味で捉えればよいでしょうか。
- 私とお試しで付き合ってみる?
- 私と付き合おうよ。
皆さまはどちらを選びましたか? 私は2です。
ここでいう「〇〇してみる?」は、「試してみる?」といった軽いニュアンスではありません。「〇〇したい」という明確な想いがあって、それを実現したくて発している言葉だと考えます。「してみる?」という表現を使っているのは、単にそれまでの経験が、その人を素直にさせていないだけなのです。
恐らくここの解釈が一致していないと今回の話には共感できないと思いますので、ここで2を選ばなかった方は、また次回、10月4日にお会いするとしましょう。
〇「一致団結、してみる?」から想像されるドラマ
この「〇〇してみる?」は、素直になれない若者が「〇〇しようよ」「〇〇したい」といった、自分の意志を表現する時の慣用句だと私は考えています。
これを踏まえて、今回の「新人クルービジュアル」に注目してみましょう。新人クルーたちは皆、ちょっとずつ違う方角を向いていますね。
このイラストそのものは、「一致団結していない新人クルーたち」を表現しています。
ここから、物語が始まった時点では、彼らは「一致団結」していないのだと想像できますね。
一方、「一致団結、してみる?」との言葉からは、物語が始まった時点では「一致団結」していない新人クルーたちの関係性が、物語が進むにつれて「一致団結」へと変化していくことが想像できます。
ここで、先ほどの節に立ち返ってみます。
物語が始まった時点では、このイラストに描かれているように「一致団結していない」新人たちが、物語が進むにつれて「一致団結」の方向へ向かっていく。
その過程に、「一致団結、してみる?」との言葉を当てはめてみましょう。この言葉の意味は、次のうちどちらでしょうか。
- 試しに一致団結、してみる?
- 一致団結、しよう
ここでも当然、私の解釈は後者です。
〇物語への想像が掻き立てられる
今回、この「新人クルービジュアル」とキャッチコピーを見て、私は『2205』には「一致団結できなかった若者たちが、互いの違いを乗り越えて一致団結する」ドラマがあると想像しました。だから、私はこのビジュアルとコピーに胸を高鳴らせたのだと思います。
繰り返しになりますが、「一致団結、してみる?」に対する私の解釈は、(素直になれない若者の)「一致団結、しよう」です。本当は一致団結したい、でも本気でぶつかりあった過去があるから、照れくさくて「一致団結しよう」とは言えない。そんな若者の心の機微が、ここには込められているのではないでしょうか。
映画のキャッチコピーの役割には色々なことが考えられますが、「物語への想像を掻き立てること」はとても重要だと思います。そのキャッチコピーを見た観客が、どんな映画なのかを思わず想像してしまう。それがキャッチコピーに大切なことだと、今回は特に思いましたね。