ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2205】二つの特報に見る「2205らしさ」

こんにちは。ymtetcです。

11月30日、『ヤマト2205』後章の特報(40秒)が公開されました。前章の劇場上映についていた次章予告ですね。以前公開された特報(30秒)と合わせて、数十秒でありながら『2205』の良さを十分に発揮した特報であったように思います。

そこで今日は、この二つの特報から、「『2205』らしさ」(私の中では「良さ」)を振り返っていきます。

○特報(30秒、2021年10月15日公開)

まずは『2205』前章公開中にアップロードされた特報(30秒)を見てみましょう。


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最初に印象に残るのは、『2205』前章のテーマミュージックといってもいい「新コスモタイガー」。新たなる乗組員を象徴する爽やかなメロディとして用いられました。この曲自体が『2205』らしさの一側面を表しているとみることもできます。

次に、この特報では戦闘機アクションが強調されていることも特徴です。近年『マクロス』シリーズを手掛けてきたサテライトには戦闘機アクションのノウハウがあるようで、前章でも戦闘機アクションについては、『2199』『2202』とは違う新たなステージに、リメイクヤマトを到達させることができていました。

また、熱量のあるセリフがテンポよく繋げられているところも印象的です。『2205』は、セリフはホットな一方、演出はクールな現代風、というギャップが一つの特徴だったかなと思います。そのらしさが出ていますね。

○特報(40秒、2021年11月30日公開)

次に、つい先日公開された40秒版の特報も見ておきましょう。


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メルダーズの声、いいよね。という話は置いておいて……

30秒版の特報にもあった「全員を助ける方法があるんだ」はまさに『2205』土門を象徴するようなセリフです。『2205』には『2202』古代とよく似た傾向を持つキャラクターが登場します。デスラーが筆頭ですが、土門も同じです。特に土門は、大人になった古代進と対をなす若者として、ここからどう成長していくのかを描いていくキャラクター。土門の成長に対する期待感も、『2205』の魅力、「らしさ」の一つであったように思います。

「絶対に譲れないものが人にはある。お前がお前であり続けるために、徹底的に戦い抜け」。この古代のセリフは、『2199』でいう沖田や『2202』でいう土方のポジションに、古代進が収まったことを示すものです。

「人は間違いをおかす。もしそれが命令であったとしても、間違っていると思ったら立ち止まり、自分を貫く勇気も必要だ」(沖田)。

「逃げ場のない、解決しようのない問題なら、背負っていくしかない」(土方)。

リメイクヤマトの艦長たちは、必ずどこかで格言チックなセリフを残すのが『2199』以来の伝統になりつつあります

「ヤマトはただの戦艦ではない。人類の希望。どんな時も希望だけは失うまいと願う、人の意志の象徴だ」(古代)。「絶対に譲れないものが人にはある。お前がお前であり続けるために、徹底的に戦い抜け」(古代)。『2199』『2202』の伝統を継ぐ作品としての『2205』を示すセリフだと私は考えます。

また映像面では、このセリフに重ねられているヤマトの動きが、『2205』らしいと感じました。前章ではデザリアム艦隊と遭遇した時の(カーアクションを参考にしたという)ランベアの動きがそうでしたが、『2205』の艦船アクションは、舵を握る人間の手の動きを感じるような動きを採用しています。それがよく表れていますね。

そして最後に、旧作のセリフを再現するところです。「このデウスーラに波動砲を撃ちこめ! 古代! 私ごと撃て!」。旧作のセリフを引き継いだセリフですが、いかなる状況であれ、イスカンダルを前にして波動砲を撃つ意味も含めて、旧作とは異なる文脈になることは間違いありません。旧作のセリフを再現しつつも新しいドラマを見せる。それは『2205』に限らず、リメイクヤマトの一つの方向性かもしれません。

 

ということで、後章の特報から「らしさ」を考えてみました。

これまでの『ヤマト』を引き継いだ部分と、『2205』で新たに加わった現代風な部分を融合させる。それがギャップを生み、『2205』らしさを形づくっていると思います。

また、特に『2205』の場合は、原作だけでなく『2199』や『2202』との連続性を感じられるところが特徴なのではないでしょうか。