こんにちは。ymtetcです。
Twitterではお久しぶりです。今度テレビ放送されるとのことで、今朝は『2205』の第一話を観ました。総じてとてもレベルが高いけど、いきなり初見だと難しいかな?というのが率直な感想です。まずは雰囲気で、興味を持つ機会になればいいですね。
— ymtetc (@ymtetc) 2021年12月23日
久しぶりに『2205』第一話を観ました。今日はTwitterに書ききれなかった、第一話を久々に観て気づいたことを書いていきます。
○「本当に来るのかな? 星の寿命が」
久々に観て、ヒルデ・シュルツのこのセリフがとてもいいことに気づきました。これはいい驚きですね。
このセリフは、ガミラスを率いるヒス総理が、なかなか進まない移民政策を大胆に進めるよう指示した場面で飛び出します。慌ただしく進む会議を外から眺めていたヒルデが、虚空を見つめて「本当に来るのかな? 星の寿命が」と呟きます。
日本で暮らしている私たちは、いつか、どこかのタイミングで再び大地震や豪雨災害に見舞われるでしょう。防災は日本の教育の柱の一つになっていますし、ラジオでもテレビでもネットでも、来たるべき災害への備えの大切さが繰り返し提起されています。
ゆえに私たちは、福井さんのいう「不安」を慢性的に抱えて生きているのです。
ヒルデのこのセリフは、こうした「不安」に対する一つの反応として、とてもリアルな言葉に聞こえました。もうすぐ来ると言われる大災害。でもこの地はいつもと変わらないようにも見える。本当に、来るのかな……? 来ると分かっていても、来ないことを疑い、願うような一言。たった一言ですが、セリフとして効いていたと思います。
○第一話ラストはなぜ”気持ちいい”のか?
私は第一話のラストがとても好きですが、その要因はおおよそ三つあります。
一つは音楽です。「ヤマト乗組員の行進」が行進に合わせて使用される旧作オマージュはもちろんのこと、サスペンス要素が入ってくるところでピタリと音楽が止まり、「自殺?」でサスペンス感のある新曲が流れる。観客の感情に合わせたいい構成ですよね。
二つに、キャラクターです。ここは前作までを知っていると最高な場面ですよね。各艦に散ったヤマトクルーに、星名透と百合亜。ここで百合亜が星名を急かすことで、星名が予定外の行動をしていることが表現できているのもうまいです。
最後に、構成です。ここが肝です。
第一話は、簡易的な伏線の提示と回収を行った回だと思います。Aパート・ヤマト帰還シーンの土門の涙。Bパート・時間断層と引き換えに帰還したことを気にかける古代と、意味深な土門の投げかけ。
これを簡易的な伏線と考えれば、一気に回収したのがCパートのラストシーンなのです。土門は時間断層の消滅をきっかけに父親を失った。土門はヤマトに配属されている。ヤマトの艦長は、時間断層と引き換えに帰還したあの古代進なのに……。
回をまたぐ伏線も大切ですが、このように、一話の中でしっかりと要素を回収していくことも大切です。
ということで、意外な部分が刺さった、久々の『2205』第一話でした。特にヒルデのセリフや、第一話全体の構成などは、ぜひ皆さんにも注目していただきたいところです。