ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2205】メカ・アクションの”色”

こんにちは。ymtetcです。

今日は『ヤマト2205』の特色である、独特なメカ・アクションについて考えていきます。

○『2199』『2202』のメカ・アクション

『2199』の出渕さん・榎本さん、『2202』の羽原さん・小林さん、『2205』の安田さんと、リメイクヤマトは作品ごとに監督が変わってきました。その結果か、私は、作品ごとにメカのアクションにも変化があると感じています。

『2199』は当初こそ「軽い」などと言われましたが、振り返ってみれば、従来の『ヤマト』のメカ・アクションからは大きく逸脱することはなかったと思います。『2199』の場合はメカの動きそのものよりも、カメラをダイナミックに動かす演出で、メカの魅力を引き出そうとしていたのではないでしょうか。

『2202』は、『2199』に対する「軽い」との批判を意識していたのか、カメラの動きもやや抑制して、メカの全体像、偉容を見せようとの方針があったように感じました。メカ・アクションの魅力を引き出すというよりは、メカデザインの魅力を引き出そうとする演出だったのではないでしょうか*1

○アクションに個性をつける『2205』

では、『2205』はどうでしょうか。

私は、『2205』は「メカの動きに個性をつける」演出が特徴的だと感じました。

例えば、ヤマト艦隊の訓練シーンはどうでしょう。新型のコスモパイソンを操る篠原隊は、リーダーの篠原の手腕か経験か、非常に統率のとれた動きをしています。それに対して、新人パイロットの坂本は大胆で予測不能な動きをとります。そして、坂本が統率のとれたコスモパイソンのフォーメーションを崩し、”3機撃墜”する……。ここでは坂本のキャラクターを、メカ・アクションで表現しているわけです。

ガミラスサイドにも同じことが言えます。フラーケンの次元潜航艦はスマートに狙い撃ちをするタイプ。バーガーは小さな修正を繰り返しながら、絶妙な操艦で戦場をくぐり抜けるタイプです。デスラー艦隊とデザリアム艦隊の最初の戦闘シーンが象徴していますよね。

このように、キャラクターの性格や能力を、メカのアクションで表現していくのが『2205』のスタイルだと考えます。

 

以前、安田賢司監督がツイッターをされていたことがありました。その時安田さんは、バイクレースのMotoGPについてツイートされていたと記憶しています。モータースポーツも、まさに選手の個性によってメカの動きに違いが出るスポーツです。

先ほど例示したバーガーのアクションはカーチェイスを参考にしたとのことですし、この辺りには安田監督の個性も反映されているかもしれませんね。

後章では、ヤマト艦隊のアクションも見ることができそうです。ヤマトのアクションは既に予告編で描かれていますので、やはりアスカとヒュウガですね。それぞれどんな個性を見せてくれるのか、楽しみにしています。

*1:結果、小林さんのメカデザインが議論の対象になりがちだったのかな、とも思います。