ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

『宇宙戦艦ヤマト』は「不朽の名作」ではない説

こんにちは。ymtetcです。

宇宙戦艦ヤマト』はしばしば「不朽の名作」と言われます。しかし、その表現にはどうにも違和感をおぼえてきました。今日は、この私の違和感について考えていきます。

なぜ私が違和感をおぼえるのかというと、仮に『ヤマト』が「不朽の名作」であるのなら、世代を超えて、≪≪オリジナル≫≫が今でも観られているはずだ、と考えるからです。

しかし実際の『ヤマト』では、現在オリジナルが顧みられることはほとんどなく、現在進行中のリメイク版のファンも、オリジナルの熱心なファンが土台になっているにすぎません。すなわち、オリジナルは時代を超えてはいるものの、世代を超えてはいないのです。非常に悪い言い方をすれば、現状の『ヤマト』は、単なる懐古趣味の枠組みを出ていないのではないでしょうか。

「不朽の名作」でないとすれば、『宇宙戦艦ヤマト』とは一体何なのでしょうか。敢えて言うなら、「昔流行っていた作品」なのではないかと思います。昔流行っていて、今で””熱心なファンがいる作品。そうした、”過去の作品”が、今の『ヤマト』の立ち位置のように思います。

さて、同じように「昔流行っていた作品」に『ガンダム』があります。ですが、『ガンダム』は早期にプラスアルファができたと言えます。「流行っていた」ファーストからの脱皮ができたのです。しかしヤマトは、第一作とさらばの枠組みから抜け出せませんでした。結果『ガンダム』は、ファーストが顧みられることは減っても、コンテンツとしては世代を超えています。それが現状の差につながっているのではないでしょうか。

 

なお、『ヤマト』や初期の『ガンダム』を「昔流行っていた作品」として括ることに違和感を覚える方も多いと思います。なぜならこの2作品は日本アニメ史におけるエポックメイキングな作品であるからです。その価値は「昔流行っていた作品」という表現では語り尽くすことができません。

しかし、その価値もあくまで「アニメ史」におけるもの。「アニメ史」における価値を重んじるのは、私たちアニメファンだけなのではないでしょうか。大多数の人はアニメファンではなく「数ある娯楽、映像作品の中からアニメを選択することもある」に過ぎないと思います。その中で、「アニメ史における価値」はさしたる意味を持ちません。

「数ある娯楽、映像作品」の中では、『宇宙戦艦ヤマト』は「昔流行っていた作品」に過ぎない。こうした理解の上に立って、私は『ヤマト』を「不朽の名作」と表現することに違和感をおぼえています。