こんにちは。ymtetcです。
前回の記事で、幼少の私にとって『999』と『ヤマト』の違いは、「鉄道か、戦艦か」程度の違いしかなかった、というお話をしました。主題歌も同じ人ですし、絵柄もよく似ていますから、無理もありません。
しかし、今現在の私から見ても、この両作品には共通する魅力があるとも思います。
今日は、これについて考えていきます。
両作に共通するものがあるとすれば、「一話完結の旅物語であるところ」だと思います。
『999』も『ヤマト』も、ひとまずの目的地があって旅立ちます。そして道中、様々な場所(『999』であれば惑星単位になる)へ立ち寄って、そこでドラマが展開されます。これが面白さの一翼をになっているのです。
なんだそんなことか、とお思いかもしれません。
ただここで思うのは、『ヤマト』はその魅力を維持できているか? ということです。少なくとも作り手は、それが『ヤマト』の魅力であることに気付いていないか、もしくは軽視しているのではないかと思います。
氷川竜介さんのいう”グランドホテルがロードムービーする”『ヤマト』のオリジナリティを、第一作以外の『ヤマト』は維持することができているでしょうか。
『ヤマト』の魅力には、『さらば』のようなダイナミックな戦闘シーンや感動のドラマだけではなく、旅の中での平穏、日常的な要素も含まれていると思います。
ヤマトが宇宙を飛んでいて、第一艦橋でそれを動かす乗組員がいて、艦内の様々な場所でヤマトを支える人々がいて……という、いわゆる「お仕事もの」としての側面です。第一作『ヤマト』は「お仕事もの」を軸としながら、旅先でのトラブルを通してドラマを展開していく、その点において『999』に近いドラマ構造を持っていたと思います。
さて、『ヤマト3199』には『ヤマトⅢ』の要素も入ってくる可能性が高いと思います。
『2202』以来の「全26話福井ヤマト」ですが、『2202』のような戦闘シーン&人間ドラマベースの作品であれば、『2205』のような短編・中編でまとめてしまった方が魅力的に仕上がると思います。全26話で展開するなら、旅ものとしての要素が欲しいです。
『ヤマトⅢ』にも旅ものとしての要素が含まれていました。目的地が曖昧である点は一つ課題ですが、今回は第二の地球を探す必要はないでしょうから、うまく『永遠に』と組み合わせて、「グランドホテルがロードムービーする」形式を蘇らせてほしいと思いますね。